ミステリーな森の生活

洋書ミステリー、英語学習、洋画レビューなどから始めましたが、今は、種々雑多(山岳小説、落語など)です。

山は見ていた(新田次郎)

2020年10月04日 | 山はミステリー

「山は見ていた」とは、何とも、意味深で、目を引く表題だ。

新田次郎の短編集を読んでみた。

15編からの短編集なのだが、何と、山や登山が出てくるのは、
最初の’「山靴」と、最後の「山は見ていた」の2編だけだった。

一番、面白かったのは、最後の表題作「山は見ていた」だ。
理由は、自分が、興味を持っている大岳山の登山が書かれているから
かも知れない。終わり方が、希望を持てる終わり方だからかも知れない。

山関係の2作以外の作品の題材は、まったく、多岐にわたっている。

新田次郎は、あまり、意識して、ミステリーを書こうとしない方が、
良いが、まったく、無視もできない。というようなこと言っていた
らしい。

確かに、どの作品も、ミステリーのジャンルと言って良いかわからない
ものも多くあった。

復讐劇、怨念、男女問題など、多岐にわたる。

ミステリーと言えそうな作品は、少々、最後に無理やりオチをつけようと
している感がなくもなかった。

しかし、どれも、ちょっと、変わった、読んだことのないストーリー
の世界を見ることができた。新田次郎の多才さを垣間見た。


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