百田尚樹の「永遠の0」を読んだ。
最近、ミステリー、山岳もの、時代劇ものを除けば、手に取るのは、
百田氏の作品が多い。
それだけ、期待を裏切らない面白さ、読みやすさ、内容があるからだ。
正直言って、特攻隊もの、戦時ものというジャンルのイメージが
強く、この作品は、ちょっと、敬遠していたのだが、読み始めて、予想していたのと
全く違っているので驚いた。
まず、孫のルーツ探しであるのに非常に驚いた。誰でも、自分の祖先が
どんな人か気になるところだが、正直言って、あったことのある祖父、祖母
までだろう。
あったことがあっても、詳細はわからないものだが、あったことのない
祖父の実像を探して、祖父を知る人にインタビューして回るという物語だったのだ。
そして、その祖父の実像を探す中で、その二人の孫が、平和な時代において、
無造作だったり、打算的にになりがちな生き方を見直そうとする姿に感動を
覚える。
素晴らしい人物の伝記を読んだときの感動に似た感情が、フィクションで
ありながら、起き上がってくるのは、著者の力であろう。
最近、小説家としての引退を発表したのが、残念でたまらない。
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