”切なく悩ましい男女のエロス&ミステリー11篇”という
言葉に釣られて、どんなミステリーかと思い読んでしまった。
阿刀田高の作品は、エッセイ、探偵小説、この作品集といい、
かなり、雰囲気が違う。
私は、ミステリーは、トリックがなければというタイプではないが、
”甘い闇”は、ミステリーと言っても、少なくとも”Aサイズ殺人事件”
のような探偵小説とは異なる。
ミステリーと言えばミステリーだが、ホラーに近かったり、
"小説というのは男と女のことを書くものです。”という
先達の教えにしたがっている。
どの短編も良質であるが、どの作品が一番印象に残るかと
言われると、思い出せず、もう一度、ペラペラとめくってみると
、ああ、これこれと思いだしたのが、”菱形慕情”である。
何が、菱形なのかは、ネタばれになるので、言えないが、
自作解説で、ご自身の経験にもとづいているというので
おどろいた。
露天ふろとか、混浴風呂での思い出を持っている方は、
結構多いのではないかと思う。特に、何も身にまとわず
入る混浴風呂は、日本だけかも知れない。
そこから、菱形とは何かを想像されると、最初の、
”切なく悩ましい.."が、ああ、これこれと言えるかも知れない。
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