過労死予備群の「食から笑顔になる生活」

夜討ち朝駆けで仕事する日々。忙しくとも自分なりの手間をかけて、美味しく笑顔になる生活を志します。

海の幸は日本を繋ぐ2:藁焼き・鰹ひやま

2016-06-27 20:25:00 | 日いづる国の伝統食


■藁焼き・かつお火山(ひやま)

写真手前が背、奥が腹です。鰹の半身が、ここにあります(ニッコリ)。

鰹は、黒潮にのって移動する、サバ科の回遊魚です。春三月、高知県を発し、和歌山、静岡を経て、六月には常磐沖・福島県に、さらに北上して三陸沖に、八月には北海道沖まで達する群もあるそう。九月には南下をはじめ、脂ののった「下り鰹」と呼ばれています。
黒潮と親潮が交錯する混合水域は、常磐沖以北の、東北の沿岸にひろがり、栄養豊富で鰹を大きくしていきます。

それ故、常磐沖の鰹は、房総沖よりは脂肪がのりはじめ、風味があがると、古くから知られ、それを活かすための調理が、藁焼き・鰹ひやまとして、いまに伝えられています。
皮側に火をいれ、さっぱりと香ばしく仕上げる仕事は、常磐沖海域の最大漁港を有する、茨城県との境、いわき市南部の伝統料理です。

鰹は回遊魚故に原発事故の影響はありません。漁業規制はないにも関わらず、自主検査で「検出せず」と公開されています。風評被害のために、漁獲量は激減した、そうです。

この日、供して下さったのは、三陸沖・宮城県の鰹を、伝統技法で調理してくださった食です。

この美しい赤! 皮の香ばしさ、鉄分を含む身の香りの良さ!
何をごまかす必要もない鮮度があるので、生姜醤油、大蒜醤油だけで、あがれます。香味野菜は食をすすめますが、それを必要としない、刺身以上に健やかな刺身であるのが、ひやま、だと思います。



[作る]
一尾の鰹を四つの筋(背と腹、背骨を挟み二枚に)にさばく。
藁を燃え上がらせ、皮側だけをキシリッと焼き、準備しておいた氷水に一気に沈める。身に熱をまわさない。

屋外で、藁を積み、瞬間の火の仕事をする。しっかり1cm程の厚みに切りわけて、生姜や大蒜醤油で食す。
だいこんつま、青紫蘇、茗荷をお好みで。



皮側から見れば、一気に火をあてるのに藁を必要とすることがわかります。藁故に、焦げ付きはしないのです。(ニッコリ)
考えてみてください。六月から八月には、まだ、今年の稲藁はありません(ニッコリ)。どれだけ大事に準備して、この調理がなされたか、伝わります。

余所者なのに、何故、知っているのか?(笑)
はるか昔、日本の祭り食や伝統食を調査、記録する試みの末端に加わったことがあります。
どちらの方も、田舎料理と言われながら、晴れやかな笑顔で、教えてくださいました。旺盛な食欲を歓迎してくださったことを思い出します。

常磐沖の鰹がいまはあげられなくても、この味は絶やさないって、頑張っている方々が、ちゃんといます。
四国にも、お江戸にも、異なる美味しい食べ方があるのです。その土地で捕れるものを、一等おいしく食す工夫です。(ニッコリ)

応援したいと思います。
日本のあちこちで、天災、環境破壊、過疎化がすすみ、失われていく食習慣、行事文化があるのです。
ネット社会なら、よき意味で、記録を拡散することができます。文化を伝え、引き継ぐことの助けになるはずです。


香ばしく、健やかな鰹のひやまは、とても美味しくいただきました。無粋な演説(笑)をしなくとも、圧巻の存在感でした。

久しぶりに、本物の鰹ひやまに出会って、熱く語ってしまいました(笑)。
海は繋がっていて、地球は一つです。海の幸を通して、元気に手をつなぎましょう。


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海の幸は日本を繋ぐ1:青森の帆立、熊本のあさり

2016-06-27 18:52:00 | 日いづる国の伝統食
こんばんは。週末は追加調査に、東北の太平洋側に滞在しました。愛車での往復に、ちょいへたばりましたが、いい笑顔も沢山、再会できました(ニッコリ)。
顔馴染みになった方達は、海の幸を用意して、何も無いけど、とおっしゃる(微笑)。



■青森県産のホタテ貝柱のお刺身

とろんっとして甘い! 香りがよくて、嬉しくなります。



■熊本応援! もってけ、あさり、という名札がたっていました:酒蒸しに。

地元のあさりがあっても、それより強く「熊本」のあさりを応援する。自分たちが、今度は九州になんでも応援するぞぅって、市場で頑張っている、と話していました。
確かに小粒(笑)、でも、売れていれば出荷ができる。働いて暮らしが立つのが、一番だって、笑顔で話してくれました。

海の幸に境はない。海の仲間は健やかだって思いました。
思いが届けば、とっても美味しい!


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