今春に設えたビオトープ内の食草園で草刈りを行った。植え込んだ幼樹を圧倒する高さになったからだ。今までに数回、幼樹の周囲を丁寧につぼ刈りしていたのだが、それではすまない高さに成長してしまった。
傷つけないように慎重に刈払機で周囲を刈り進めるうちに愕然としてしまった。「驚き桃の木山椒の木」や「唖然茫然愕然」が両方一緒に来てしまった。
食樹に混じって植えつけた食草の「ウマノスズクサ」と「サルトリイバラ」が一株も無く持ち去られている。最初は「猪が来たか?」と思ったのだが、直ぐに人為的結果だと言うことを理解した。近くのウラシマソウも消えている。
両者もありふれた食草で周囲には幾らでも存在する種類だが、細い根が地中深く入り込むので移植は難しい種類だ。早春の新芽が活動し始めた頃に採集して、ポットで養生保育した苗だったから掘り取るのは容易な状態でもあった。
昨年は食樹として定額給付金で購入したアオダモは全て盗掘され、支柱をした山百合、ササユリも花期目前にして掘り取られている。アオダモは園芸で人気種だ。
今回の盗掘はチョウの繁殖を趣味としている輩ではないかと推測しているのだが、その理由は「鑑賞の対象」にはなり難いし「食草として採集移植」しても活着しにくい植物だからだ。ましては都合10株以上もあったのをすべて掘り取っていくなど尋常ではない。
まあ、冷静になってみれば「ビオトープ」での出来事だし、偏向家の家で幼虫の餌になっていくなら、それはそれで「生物多様性」に寄与したことになるだろう。憤懣やるかたないが強がりで締めくくらないと今後に差し支えるのだ。
さてさて、このフイールドにも生態系を脅かす「特低害来生物・ヤマアラシ」が定着してしまったようだ。浮世も多様性に溢れている。