GITANESと肉じゃが、どちらが美味い?と尋ねられたら
躊躇せずにGITANESと答える。
それとは無関係に・・・。
ある事情でここ最近6歳年上の兄と、以前に比べると
話をする機会が飛躍的に増えた。
別に仲が悪かったわけでもなかった。単に疎遠だっただけだ。
今は某所で教師をしているものの、この兄は昔
長髪で破れたジーンズを好んではいていたようなヤツだ。
昔とは、今から30年ほど前を指す。
その頃の長髪・破れジーンズだから、文化としては
フォークソング文化だ。
CDショップに入って、店内を物色していると
あるCDを発見した。
「風」のベスト盤である。
私が小学校の高学年、兄は中学3年か高校生。
兄が留守の時には、兄のレコードを引っ張り出して
兄のギターでメロディーを追っていた。
それらの、勝手に聴いていたレコードは
「風」のレコードが多かった。
車に乗ってCDを鳴らす。
40曲ほど収録されていたが、忘れてしまった曲は2曲、
ほとんどはメロディーも歌詞も覚えていた。
ギターなどのフレーズまで覚えていた曲もある。
その頃の私には、余程集中力と根気があったのかも知れない。
ほとんどの曲の歌詞は
「キミが出ていって、僕は寂しいよー♪」とか、
「キミが去った東京は、今日も東京だよ」
なんて感じのものがほとんどなのだが、
そういう時代だったのだなあ。
どうして小学生が毎日そんなものを聴いていたのか
思い出せないが、6歳ぐらい上の人々の文化に触れているという
喜びがあったのかも知れない。
夜、たまたま兄に会った。
「今日CDショップで『風』のCD買った。」と言うと、
口の端をちょっと上げて兄はニヤッと
「持ってるぞ。」と笑った。
もう長髪でもないし、破れたジーンズも履いていないのに
そうか、買ったのか。
その会話を横で聞いていた親父は
「こいつらは何の会話をしているのだ?」と
不思議そうな顔をしていた。
「いつからこの二人は、普通に会話するようになったのだ?」
という疑問もあるのだろうか。
自宅に戻ってから、またCDを聴く。
昔、これを聴いていた頃は小さい小さい家に家族5人で
暮らし、あんなテレビ番組を観て、あんなものを食べて
あんな会話をして、あんなケンカをした。
最近聴いているような最近のCDは、
30年ほど経ってから聴いたときに
果たして色々思い出させてくれるのだろうか。
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