GITANESの煙は雪よりもずっと青い。
それとは無関係に・・・。
南国に住んでいるので雪にまつわる記憶
思い出はほとんどない。
それでも数年に一度は積雪があって、それこそ
南国での積雪という事態になると
大騒ぎになる。
平成のはじめのころに積雪があったとき、
夜中なら車で5,6分、日中で15分ぐらいの
距離にある社宅から会社まで1時間40分かかった。
その頃は店舗の営業スタッフだったのだが
他の従業員も同じ理由で出社が大幅に遅れ、
会社の至近距離に住んでいた取締役が
店番をやっていた。
で、ようやく会社にたどり着き私の
顔を見た途端
「君も携帯電話持てよ!」と取締役は言った。
まだ持っていない人も結構いる時代だったから
私が持っていなくてもおかしくはなかったのだが
「こういうときに要るだろう!」とのこと。
携帯電話を持っていても早く出社することは
できませんけどね とは言ったが
あははといいながら取締役は去って行った。
平成の半ばを過ぎたころ。
遠方から取引先が来社。
打ち合わせが終わり、では某店を予約してますので
ばんめしでも、と私のクルマで取引先さんと
自社の部長、私が3人で店に向かおうとするが
生憎の積雪。
普段5分で到着する道のりだが、40分かかった。
問題は取引先さんと部長がそれほど円満な仲では
なかったことだ。
その上、私にはその空気をなんとかしようなどという
社会性がまったくない。
その状態で密室の40分。
早くいかないと、先着している社長も気分が悪いだろう。
まあどうしようもないことなので、道路の流れに
身を委ねるしかないのである。
「雪はやみませんなあ・・・」
「そうですなあ、この地方にしては珍しいですなあ」
というやりとりを20回ぐらい繰り返していた。
そういえばバレンタインデーだった。
前世でどんな罪を犯したら、バレンタインデーに
ぎすぎすした車内でおっさん3人で過ごさなければ
ならないのか と雪を見ながら考えていた。
ある意味マイファニーバレンタイン(デー)だった。
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