the other side of SmokyGitanesCafe
それとは無関係に・・・。
 




GITANESは読書のお供。
それとは無関係に・・・。

筒井ともみ著
「もういちど、あなたと食べたい」
食べ物が重要なキーワードとなっているが
食録ではない。内容はすべて人物についてである。

私は常に数冊の本を同時進行で読んでいる。
ここでも数か月前に書いたことがあるが、
須賀敦子全集を読んでいて、それがやっと第6巻
まできたところだ。
第6巻は須賀敦子の本職・イタリア文学者としての
著作でもあるし、そもそも私にはイタリア文学の素養
などまったくない、どころか下手すればマイナスだったり
するから、まあなかなか進まない。
難解ではないのだが、悲しいほど私の知識が
足りていないのだ。
敬虔なクリスチャンでイタリア文学者。
ものすごく面白い本もあって、まったくついていけない
本も書く、芦屋市出身の人。
その人についてまったく基礎知識もなく
どういう理由か忘れてしまったが全集を買ってしまい
(文庫の全集だけど)、ただ純粋にその中の
面白かった本を面白がっていたらいいのか、
とにかく須賀敦子に対しての自分のスタンスが
まったく定まらないまま、とにかく全集は
最難関である第6・イタリア文学論にさしかかっている。


で、タイトルの本がどう関わるのかと言うと
この「もういちど、あなたと食べたい」という本を
買って帰って初めて、中に須賀敦子の章が
あることを知ったのである。
お、今全集を読んでいる須賀敦子さんなあ・・・
と思いながら読み進む。
そして驚愕の一文に触れる。

本に曰く、ある夜須賀敦子はある集まりに
参加していた。
その帰り際、須賀敦子は自分のクルマを取りに行き
会場前(店)にまた現れた。
それがブルー系の低いオープンカー。
手に持っていたタバコをくわえたまま
そのオープンカーを運転し去って行った・・・。

え?敬虔なクリスチャンであり、ついていけない
本を書くようなイタリア文学者の先生が。
勝手に思い描いていたあの人物が、
くわえタバコのままオープンカーでブーンッ!
と去っていくのだ。

もうこの一文でガツンと衝撃を受けてしまい、
全集を読むのにも変に力が入ってしまっている
次第である。

そう、我ながら単純なのである。




コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )