団塊オヤジの短編小説goo

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決闘

2009-03-08 20:56:48 | 日記・エッセイ・コラム

餌台をめぐる決闘の話。

20090304_027 数十年ぶりに見る緋連雀(ヒレンジャク)。彼らはシベリアや北米大陸の木の実のなりかた次第で日本に渡来する。彼らの仲間に黄連雀(キレンジャク)と云う鳥がいる。見た目はそっくりであるが、尾羽の先が赤いか黄色いかの違いで、ヒレンジャクの方が、やや小ぶりです。しかし、彼らが渡来するのは、キレンジャクが東日本、ヒレンジャクは西日本ということで、北海道にヒレンジャクが渡来するのは非常に珍しいのです。しかも彼らは連雀と云うくらいで、群で行動するのです。ですから、ヒレンジャクが北海道に来る場合は、キレンジャクに混在することが多いのです。20070915_007 でも、彼は単独でやってきました。

当然、年中餌台を独占している鵯(ヒヨドリ)にとっては気に入りません。彼は毎日、雀や四十雀たちを蹴散らして、悠然と餌を食べているのです。

時代劇風に云うとヒヨドリは悪代官、ヒレンジャクは一匹狼の流れ者。しかも、ヒレンジャクの方が一回り小さく、どう見ても不利と思われます。

平成21年3月4日、ヒレンジャクが餌台のリンゴを食べています。そこに現れたのがヒヨドリです。当然彼はヒレンジャクを追い払おうとしました。突然の攻撃に驚いたヒレンジャクは、一旦は近くの枝に逃れました

ヒヨドリは、どうだと言わんばかりにリンゴを啄ばみます。しかし、ヒレンジャクも負けてはいません。生存競争に勝たなければ生きてはいけないのです。餌台めがけて攻撃を再開しました。

2・3回の小競り合いの末、餌台の北側にヒヨドリ、南側にヒレンジャク、両者動きを止め、にらに見合いになりました。当然、ヒヨドリが優勢と思われましたが、ヒレンジャクも一歩も下がりません。まさに時代劇の決闘です。

5分ほど火花が散るほどのにらみ合いが続きました。息を呑むほど緊迫した場面でした。

とうとう、堪え切れずにヒヨドリが仕掛けました。それを受けてヒレンジャクの猛反撃。ヒヨドリは餌台を後にしました

その後、ヒレンジャクが来ると、ヒヨドリは席を譲ります。

我が家の庭の餌台で行われた、決闘の話しでした。

尚、野鳥については、フォトアルバム「訪問者たち:野鳥」をご参照下さい。

コメント (2)
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倉内佐知子

「涅槃歌 朗読する島 今、野生の心臓に 他16篇(22世紀アート) 倉内 佐知子 22世紀アート」

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