羽田空港への見送りの後、すぐに戻り、慌ただしくそのまま東京駅東海道新幹線改札口に向かった。パティシエの友人と偶然東京駅のトイレで遭遇。あともうひとりの友人は時間に昔からとても「大らか」なので乗車券他一式を持っている私は不安がよぎるが、時間前に合流し、無事に全員揃った。改札を通り、ビールを買う。何故かこんな時は新幹線が動くのを確認してからプルトップに手を掛ける。不思議だ・・・
缶ビール1本、乗車時間わずか50分の短い移動時間だが、閑散とした車両には私たちの話し声だけが響いていた。ほろ酔い気分のまま、あっという間に熱海に到着。タクシーに乗り込み旅館へと向かう。運転手さん曰く「いい旅館ですよ」との事。「だろ?だろ?」と得意気の幹事の私にさらに「若女将は女優さんのようですしね」と予想外の評価に一同期待感が膨らむ。
五分程度で旅館に到着。暗くてよく見えないが風情のある佇まいである事は間違いないようだ。時間は19時半。部屋に通されるがすぐに入浴しなければ、わざわざ遅くに時間設定をして貰った20時の夕食には間に合わないと仲居さんの説明を聞きながら浴衣に着替え始める。この時間帯に入浴出来るお風呂は二箇所。そのうちひとつは貸切可能の家族風呂。予約不要で空いていれば入れるとの事。
「私たちは家族じゃなく幼馴染なんですけど入れますかぁ~?」
と恥ずかしくなるようなボケも高いテンションが言わせている。仲居さんの苦笑いと共に急いで三人で「家族風呂」に飛び込む。残り時間10分。私とパティシエはそそくさと出て体を拭くが、「大らかな」友人はまだ洗っている。浴衣に着替え終えた状態で彼を急かす。
乾き切っていない体で、慌てて夕食の席に着く。ビールが美味い。料理も美味しい。至福の時である。「無理無理遅い夕食にして貰っているんだから、30分以内で食べ終えるように」と高いテンションが喋らすが、仲居さんは特に何も言わず・・・やっぱり急がなきゃ・・・
温泉後のビールは染み渡り、「女優若女将」が挨拶に来る頃にはすっかり良い気分になっていて、「粋な」挨拶も出来なかった・・・
その後、部屋で夜遅くまで喋り続けた。持参した「モロポリー」も出番が無かった。まるでOLさんたちの旅行のようであるが、全く会話は尽きなかった。そして結構役に立ったのが、「すべらない話」で登場するサイコロだった。
夜はまだまだ長い。
有限会社やな瀬不動産