ジーン・ハックマン主演の「カナディアン・エキスプレス(1990年公開)」を観た。
【解説】縦移動を駆使してのひたすら前のめりなアクション演出で知られる、カメラマン出身のハイアムズ監督が、自ら撮影も担当したサスペンス。舞台が80%列車内に限定され、当然「007/ロシアより愛をこめて」やヒッチコック作品の様な列車活劇が期待されたが、そこでは、いつものスピーディなカメラの動きが堪能出来ず、むしろ、冒頭、林の中を疾走する4WDの描写等にハイアムズのタッチが感じられた。殺しの目撃者であるA・アーチャーが組織の目を逃れようと、カナダ行きの特急に乗り込む。彼女の証言が欲しい検事のハックマンも後を追う。そして、彼女の命を狙う殺し屋も乗客の中にいるはずなのだ……。「その女を殺せ」(52)のリメイクであり、全体の出来はまずまずのアクション映画。
かなり昔に観た記憶がある作品である。列車での密室劇が中心になるのだが、クライマックスである列車の屋根でのアクションシーンが案外地味だった。でもそれが映画にありがちな派手派手さが無く、逆にリアリティーさえ感じさせる。またちょっとしたどんでん返しもありつつ、肩の凝らないお気軽映画である。
ちなみに私はジーン・ハックマンが好きで、「ミシシッピー・バーニング」や「フレンチコネクション」「地獄の七人」等でのおちょくった感じの芝居がとてもいい。「ミシシッピー・・・」については明日掲示予定。