幅広い芸で知られ、歌舞伎の認知度を高めた歌舞伎俳優の中村勘三郎が、5日午前2時33分、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)のため、都内の病院で死去した。57歳だった。今年の6月中旬に、初期の食道がんが発見されたことを告白。7月27日に手術を行った。その後は、舞台復帰に向け療養に努めていたが、8月中旬にARDSを発症した。先月下旬から徐々に病状が悪化。そのまま帰らぬ人となった。
久し振りに驚いたニュースだった。彼の功績は数え切れないが、何より平成中村座やコクーン歌舞伎等によりこれまでの高かった歌舞伎の敷居を低くしたことだろう。そのおかげで私も歌舞伎を観るようになった。また初めて鑑賞したのも「勘三郎奮闘~十月大歌舞伎」が始まりで、その時は「俊寛」と「(親子)連獅子」を観た。翌年の2008年2月には藤山直美との現代劇「わらしべ夫婦双六旅」を鑑賞し、その後も何度も舞台での活躍をじかに観て来たが、舞台に上がった時の圧倒的なオーラは眩しいくらいに輝いていた今となっては昨年2月の「ペテン・ザ・ペテン」の休演が残念でならない。
そして最後に観たのは平成中村座「四月大歌舞伎」となってしまった。それにしても57歳とはやはり早い・・・心から合掌