明治座で「春風亭小朝・東儀秀樹 夢の二人会」を観た。
【演目】第一部では、今年3月に『芸術選奨文部科学大臣賞』を受賞した春風亭小朝が、「お見立て」「唐茄子屋政談」の二席を、珠玉の話芸で披露いたします。第二部では、東儀秀樹が「JUPITER」「ハナミズキ」「朧月夜」(予定)などを、1300年の歴史をもつ古式ゆかしい雅楽器の音色で奏でます。二人のトークもお楽しみください。
何とも異色の二人会であるな~と10月下旬の真夏日の中、(恐らく初めての)明治座に到着。三階最上階の席に座る。前座とギター漫談を挟み小朝が二席を披露。いつもながらの人情落語をたっぷりと聴かせてくれる。そして30分の休憩を挟み、狩衣を身に纏った東儀秀樹が花道から笙(しょう)を演奏しながら登場。篳篥(ひちりき)・龍笛(りゅうてき)と曲ごとに楽器を変え、ジャズからクラッシックまで幅広いジャンルで雅楽の魅力を伝えてくれる。笙はパイプオルガンのルーツとされているだけあり、音の広がりが素晴らしく、篳篥はサックスのような低音の響きが心地良い。雅楽ではこれら「笙」「篳篥」「龍笛」を合奏することが基本の表現となり、それは「天」「地」「空」を合わせる、つまり音楽表現がそのまま宇宙を創ることと考えられている・・・と本人のブログに書かれているように、何とも心地良い楽器たちであった。また彼のトークも楽しく、途中で洋装に着替えた彼は何とも舞台映えのするとても魅力的な音楽家であった。
1400年の歴史を誇る世界最古のオーケストラと言われる雅楽。雅楽をちゃんと聴いたのは初めてだったが、雅楽とは日本人のソウルミュージックなんだろうなと足取りも軽く劇場を後にした。