連休中に高校生の息子のサッカー大会が行われた。
長年、平日が休日の私にとってこれまで子供たちの入学・卒業式を始め、学校行事にほとんど参加した事が無い。無理すれば出られない事もないのだが、自分が中学・高校生時代は親が学校行事に参観することが本当に嫌だったものだ・・・とあの頃の感覚がまるで昨日のように思い出されるのも参加しない一番大きな理由である。ただ今回は「偶然重なった休日」と「試合会場が近かった」と「大事な一戦」だったこともあり、心の中で葛藤しながら、最終的に「息子に見つからないように」と自分に条件をつけたまま会場へと向かった。
試合会場はとある高校のグラウンドで、到着した時にはすでに試合が始まっていた。観客席も無く、コートサイドに立ったままでの観戦だったが、予想以上に父兄の応援もあり、これならば何とか紛れそうだ。息子のポジションは左サイドバックなので、息子から一番遠い対角線上の相手側左サイドバック付近で観戦する。前半途中で立て続けに失点し、0-2の劣勢。ディフェンスの立場としては辛い内容だったが、前半終盤間際にコーナーキックから得点を奪い1-2となり、前半終了。後半サイドチェンジになると今度は息子が目の前に来るので、慌てて逆サイド(自陣右サイドバック)へと移動する。試合は後半に入っても終始相手のボールキープ率が高く、私の目の前でボールの奪い合いが繰り広げられ、その都度目立たないように息を殺して微動だにせず景色に紛れるかのように静かにじっと立ちつくす。しかし相手のコーナーキックとなり、私の目の前にボールがセットされる。ゴールキーパーを始め、息子を含めたゴール付近の選手たちの視線がコーナーに集まる。げぇ・・・
1-2のまま後半も終盤に入り、ベンチが動く。ディフェンスの息子を下げ、攻撃的な選手を投入する。戦略上、当然の采配である。するとその采配は見事に的中し、終了間際に同点ゴールが決まり、そのまま延長戦へと突入した。延長戦前半で3点目のゴールが決まり、この試合で初めてリードをするものの、後半で相手も意地の同点ゴールとなり、そのままPK戦となった。
必ず誰かしら肩をがっくりと落とさなければならないPK戦。息子の中学生活最後の大会で彼自身PKを外した記憶が(見てはいないものの)蘇るが、今回はすでにベンチなので少しだけ安心する。PK戦は運次第とは言うものの、それでもやはり高校生が泣き崩れるシーンは敵味方関係無く見たくないものだ。PK戦も試合同様にもつれにもつれて、五人では決着が付かずサドンデスへと進んだ結果、息子たちのチームがどうにか辛勝して、次にコマを進めた。でもやはりゴール前で泣き崩れている相手チームの選手に目が行ってしまう・・・。君だけのせいじゃない。
勝利の余韻に浸る間もなく、急いで帰ろうとしていると、選手退場口でばったり息子と遭遇してしまった・・・妻はそんな気を遣うのはおかしいと言うし、息子も大歓迎と言う訳ではないものの帰宅してから観戦した試合の話であーだこーだとても盛り上がったが、私の中にはどうも息子の「世界」に入る事にはとても抵抗がある。
だからこの試合は私にとって最初で最後の試合観戦なのである。白熱したいい試合をどうも有難う。
【明日5/8(火)~5/9(水)は連休となります】
有限会社やな瀬不動産