北海道昆虫同好会ブログ

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孫にエゾヒメギフチョウを採らせる話 その弐、 最後はリリース

2015-05-03 21:35:29 | エゾヒメギフチョウ
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2014-5-6(火)  晴 のち雨 のち曇り のちゲリラ豪雨 のち曇り


孫にエゾヒメギフチョウを採らせる話 その弐、 最後はリリース


F氏からのメールで昨日、エゾヒメギフチョウを見たという。

かわいい孫娘がエゾヒメギフチョウを採りたいというので、久しぶりにこの蝶を狙って出かけた。

彼女は一昨年あたりから蝶に興味があるようで、私のDNAが入っているせいだろうか。

天候はきわめて不穏だが、きっと日差しがくる時間はあるに違いない。その短い時間に勝負するのがエゾヒメギフ採りというものだ。

まず、あんちょこ採集地である近隣の林道をあたったが飛んでいるのはエゾスジグロチョウとルリシジミ、越冬したクジャクチョウばかり。

そのうち、他の採集者の車まで現れるようになり、このあたりでは孫にエゾヒメギフチョウを見せるのは無理と判断。 

ちょっと遠いが車を飛ばして、絶対確実なとある秘密ポイントへ向かった。そこに近づくにつれ急に青空が広がり期待感がふくらんだ。

しかし、苦労してそこへ到達してみたら、そこは広範な伐採があり、広大な畑に変身していた。くそ。さらにいくつかの秘密ポイントをまわるが、樹木や笹が生い茂って自然が変化したり、自然破壊が行われたり、ことごとくかっての大産地がいつのまにか消滅していて唖然となった。

試行錯誤の末、最終的にたどりついたとある森で、なんとか生き残っていたエゾヒメギフチョウを発見。


約20頭ほどの飛翔を確認、孫娘は5♂♂1♀(交尾済み)、私は3♂♂1♀(未交尾)を採集した。

すべて完全品で羽化後まもない状態と思われ、低く飛びすぐ地面にとまるので何頭かを撮影できた。












孫娘は大きな嬌声を上げながらデカネットや赤ネットを振り回し一発必殺でネットインする。








間違いなく蝶採りの才能はある。初めて見る美しい蝶に大喜びであった。

今日はエゾヒメギフは最後はすべてリリースするつもりであったので、採集した蝶はいつものように胸を圧して殺すことなく羽根をそっとつまんで元気なまま三角紙に入れた。

やや小型の個体が多かったが、特別な変わった個体は無く、十分に観察させてから放した。オショロコマと同じく、蝶も特殊なもの以外は殺すことなく観察後リリースもありと思う。





今日の獲物です。













交尾嚢をつけた交尾後♀。



これは♂。


右前翅の羽化失敗の1♂がいたが、これはよたよた飛んでいた。

1♀は孫娘の衣服や帽子に執着していたが、やがて他の蝶と同じく森の奥へ飛び去った。












孫娘が大声で空を指さした。大きなオジロワシがずぐ上空30mを低く旋回していた。


エゾヒメギフチョウの食草オクエゾサイシン。まだ葉が展開していない。花は紫色。




やがて雲が広がり陽がかげり身震いするほど寒くなってきたと思ったら土砂降りの雨となった。雨のなか北見へもどった。

妻たちはエゾムラサキツツジ満開の温根湯ツツジ祭りへ出かけ恒例のジンギスカンを食べてもどってきた。



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