北海道昆虫同好会ブログ

北海道昆虫同好会は北海道の昆虫を中心に近隣諸国および世界の昆虫を対象に活動しています。

寄生されたエゾシロ終令幼虫の大移動

2015-05-14 19:41:47 | エゾシロチョウ 
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2015-5-10 (日) 曇り 14℃ 寒い

脳を乗っ取られたエゾシロ幼虫の大旅行。

寄生されたエゾシロ終令幼虫の大移動。

トマトの苗12本、 キュウリ苗3本、ナスビ苗4本 植えて一息ついて、なんとなく庭のシャクヤクの蕾をみると、茎のところにエゾシロチョウ終令幼虫がいた。














この幼虫はアオムシコマユバチの寄生を受けていて多数のアオムシコマユバチ幼虫が体外へと出て黄色い繭をつくっていた。




エゾシロ幼虫は自らの体内からでて蛹化したアオムシコマユバチのひ弱な繭にせっせと糸をかけて覆い、強固な繭にしていた。





さてここまでは、前項と同じ話だが驚いたのは何故、こんなところにエゾシロ幼虫がいるのかといった点だ。

この幼虫はこの庭の赤ボケに発生したエゾシロと思われ、そうするともともと住んでいた赤ボケからここまで約15mほどある。












こんな長距離をこのエゾシロ幼虫は這ってきたのだろうか。




恐らく、脳を乗っ取られた形のエゾシロ幼虫はアオムシコマユバチの命ずるまま、遠路ここまで移動してきた可能性はないだろうか。

こうしてアオムシコマユバチの繭が広く分散することは高次寄生蜂アオムシコバチなどからの攻撃をも分散させる有効な戦略なのかも知れない。

寄生蜂の、さらに上位の寄生蜂が存在することは極めて興味深い話です。

そういえば、赤ボケの枝をほんのすこし振動させただけでボタボタとエゾシロチョウ終令幼虫が地面に落っこちることがあるが、これらの幼虫はアオムシコマユバチに繰られて遠距離移動体制に入ってゆくのではなかろうか。


       この項、続く。


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