初夏の蝶、北米からの外来種カラフトセセリ。
北海道オホーツク夏の蝶 林道にて その3
2022-7-16 (土) 曇り~晴れ~雨 28℃ 暑い
いまや北海道各地に大繁殖し、7月中旬から林道沿いなどの空き地に広大な花園を形成している植物界の外来種筆頭格のマルガリータ。ここに、これまたチョウ界の外来種筆頭格のカラフトセセリが多数吸蜜に集まっています。
北海道に定着し、急速に分布を拡大しつつある外来種カラフトセセリ。この小型のセセリチョウはつい最近の1999年、北海道の滝上町サクルー原野の牧草地で初めて発見されました。
サハリンには普通に産するため当初は北海道に近いサハリン由来の外来種と想像されました。しかし、DNA解析の結果、遠く離れた北米産の個体群が何らかの理由(競走馬用の輸入牧草に卵が着いていたとか、北米から輸入した牧草の種子に卵が混入していたとか)で移入されたものと考えられています。
興味深いことには北米においても本種はヨーロッパからの外来種で、もともとは北米にはいなかったものです。
幼虫は牧草チモシー(オオアワガエリ)を最も好み、実際オホーツクではもはやチモシーの群落のあるところには大抵発生していると言っても過言ではありません。
牧草チモシーの花穂。
与えるとカラフトセセリ幼虫は、下記のオーチャードのようなチモシー以外のイネ科植物も食べるようですが野外では圧倒的にチモシーを好んでいます。
牧草オーチャード(エゾツマジロウラジャノメの飼育時の食草として最適)の花穂。
今のところ自然界では当初心配していたような諸問題は起こらず、取り立てて目立つ悪さをしている様子はありません。
最近、カラフトセセリのいる風景が なんとなく目になじんできてしまいました。私たちがこの世を去って50年もすればこのセセリチョウが外来種であることすら誰もが忘れてしまうのでしょう。在来種、外来種の概念には 時間的な要因もかかわってくると思います。 日本の蝶の代表みたいな モンシロチョウ も実は弥生時代に農耕文化とともに大陸から移入されてきたとの説もあります。
終わり。
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