アンデスアマゾン山岳地帯、雲霧林の妖精、Morpho sulkowskyi スルコウスキーモルフォ を採集。その壱
原名亜種 Morpho sulkowskyi sulkowskyi Kollar は Ecuadorおよび Brasil に分布する。
亜種 ssp. eros Staudinger は Bolivia に分布し 標高6500~8000 ft (1950~2400m)の高山帯で記録されている。
亜種 ssp. ockendeni Rothchild はペルーに産し、私はアンデスアマゾン源流域の山岳地帯の Calabaza カラバザ( 標高1500m ) で採集した。
この比較的稀少とされるモルフォについては、D,Abrera の図鑑 Butterflies of the Neotropical Region Part 2 に、わずかに上記の情報があっさりと記載されているのみで、生態や個体変異などくわしいことは ネットレベルで私が検索した限りでは情報がなかった。
恥ずかしながら、私はペルーに行くまで、このメタリックブルーから真珠色に輝く美しいモルフォのことは知らなかった。
現地でこのチョウの存在を初めて知り、ちょうど発生時期の雨期真っ最中であったので是非採集してみたいと思い、アンデスアマゾン源流域の高山帯 Calabaza カラバザ( 標高1500 ~200m) へ出発した。
雨期の真っ最中、日本で言えばお正月にあたるが、本種が現れる雨期の晴れ間に当たるかどうかは運次第。
スルコウスキーモルフォの生息地は高標高の山岳地帯。鬱蒼とした湿潤な環境で樹林が発達し太い樹木は苔むして着床植物に覆われる。この特異な環境は雲霧林とよばれ、雲や霧に覆われていることが多く、現実問題として、晴れ間の日差しで舞い始めるこの美麗モルフォを採集できる機会は稀である。
雨期だが現地では朝晩は冷え込むようで山岳地帯の現地の人はセーターを着ていた。
発生地は急峻な山間の谷間で谷の底にはごうごうと渓流が流れており、さしずめ北海道ならオショロコマやエゾイワナでも釣れそうな環境だ。
肌寒い感じだが運良く午前10時ころから時々厚い雲が切れて日が射しはじめた。何も見えなかった山肌の密林のあちこちからフワフワと、きらきら白く輝くスルコウスキーモルフォが舞い立ち始めた。
時々、そのうちの一匹がフワフワと林道に降りてきてネットの射程距離に入るのを採集するのだが、しばらくして日が陰るとチョウはたちまち姿を消す。
そして午前11時30分を過ぎるとこのモルフォチョウはパッタリと姿を消してしまった。
この項、続く。
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