想像以上の波乱で、これからの中盤のツールの行方に大きなインパクトがあった第4ステージまでの序盤戦を終えて、第5-6ステージは、フラットコースであり殆ど動きが期待できないお休みコースと思われる。
興味は、何れも最後のスプリント勝負のみで、たんたんとレースは展開するだろうと思われていたが、予想通り第5ステージも第6ステージも、駆け引きらしいものもなく、スタートから7Kmあたりから飛び出した先頭集団も、ポイント争いのみで最後には、プロトン(集団)に吸収されていた。
第5ステージの最後は、第4ステージでも勝てなかった、あのカヴェンデイッシュが実力通り抜けだして、初のステージVを獲得し、涙していたのが印象的である。
カヴェンデイッシュと言えば、悪童とも言われマスコミに叩かれていたそうで、その反動もあるのだろうか?そのスプリント力は圧倒的な強さであった。
マイヨ・ジョーヌ争いは、全く変化なくこの日は勝負しないステージだったようだ。
我が新城幸也は、スプリント争いに加わり、15位でフィニッシュしたのには、ビックリだった。
フランスの広大な風景や応援光景も、実に楽しいもので、沿道の興奮がそのまま伝わってきた。
第6ステージは、最長の227.5Kmのフラットコースであるが、プロトン(集団)は全く動かずに最後はスプリント勝負でステージを終わった。
後30KM地点では、新城が落車してヒヤリとさせられる場面もあり心配したが、何食わぬ顔で走り出していたので、大きな怪我はなかったようで、最後のスプリント争いに加わり、19位でフィニッシュして元気な姿を見せてくれた。
この日も、スプリンターは後6KMから、集団の前へ前へと激しく位置取りに動き、新城もその中で仕事をしていたようで、最後はカヴェンデイッシュが圧倒的なスプリン力を活かしての2連勝となった。
マイヨ争いのコンタドール(9位)やA・シェレク(6位)などは、変化なく中盤の山岳コースへ勝負は持ち越されていた。
この日の放送では、緊張感のなくマッタリムードで進んでいたため、栗村氏の明快な解説がツールに精通されたウラ話やツールのイロハなど、レースの展開よりも大変興味深く、その豊富な知識や経験からの説明には、まさに『クリムラ ワールド』が拡がり、納得の貴重な時間であった。
また、コンタドールが昨年のマイヨ・ジョーヌのお礼にと、同僚だったアームストロングに記念の時計をプレゼントした話が紹介されたが、アームストロングが「マイヨ勝利は、偉大なチームの助けを借りてのマイヨVであることをやっと解ってくれた」とコメントしたそうで、いろいろ取りざたされていた、両雄の関係を垣間見たようだ。
途中の補給地点でのサコッシュの受け渡しや、選手が捨てる中身やボトルを死にものぐるいで奪い合う光景は、本場ならではの光景だろう。
そのゲットしたボトルやサコッシュが、ネット・オークションで売買されているそうだ。
また、コースにあるレトロな美しい古城が幾つも紹介されるが、ツールコースを旅したい誘惑に駆られていた。
いよいよ明日から中盤の山岳コースとなるが、世界一のクライマーであるコンタドールの躍進に期待したい。
【写真はテレビ画面より】