湘南海岸の片瀬漁港で一休みの後、片瀬の龍口刑場跡にある龍口寺に立ち寄ってきました。
仁王門には、仁王像に加えて二頭の龍の像が描かれていますが、江の島縁起に由来するのでしょうか?今にも動い出しそうな姿が描かれています。
欅づくりの山門の表裏には素晴らしい宮彫りの龍の彫刻が見られ、羽目板には8枚の中国の故事を題材にした細密な彫刻が飾られて寺の名前に関わる景観となっています。
大本堂では、前回訪問した時には、威勢のいい法要が行われていましたが、この日は静かな雰囲気の中で心込めて参拝していました。
本堂の唐派風向拝にも素晴らしい龍など様々な彫刻が飾られています。
本堂の奥には、県内唯一の木造式の五重塔が聳え立ち、本堂と共に神奈川の建築物百選に選ばれている壮大な姿が見られます。
境内の土牢の御霊窟には、日蓮上人が処刑は中止となりましたが、一時閉じ込められていたそうで今も窟内には、日蓮上人像が安置されています。
御霊窟の隣の大きなやぐらにも青銅の銅像が見られます。
本堂の裏には、滝行が行われる池も残されています。
龍ノ口法難750年を記念して移築された「延寿の鐘」が設置され、念仏を唱えながら突くと福を呼ぶようです。
境内の河津桜が見頃となって美しい姿が見られました。
大書院では、三連屋根の建築で鬼瓦や懸魚、破風など素晴らしい重厚な景観が見られます。
龍口寺から近くの梅の寺とも呼ばれている常立寺へ向かうと、本堂前や鐘楼付近にはしだれ梅やロウバイが見頃となって、美を競い合う姿が見られました。
山門の横には、龍口寺で処刑された刑死者を埋葬されていて、処刑された元(蒙古)の国使5人のお墓の「元使塚」が立てられて、青い布で撒かれた5基の小さな五輪塔が塚の前に置かれています。
また、山門の前の参道脇には、、石仏や珍しい庚申塔や道祖神が多く立ち、龍口寺輪番八つ寺の一寺としての名寺となっています。