「世の中、ちょっとやぶにらみ」

本音とたてまえ使い分け、視点をかえてにらんでみれば、違った世界が見えてくる・・・かな?    yattaro-

「待つ宵草の咲くころ Ⅱ」

2010年08月20日 | 趣味・・エッセイ
 黄色いかれんな待宵草が花を付け始め、終戦記念日を迎えると、広島、長崎へ投下された原子爆弾の地獄絵や、じゅうたん爆撃によって焦土と化した我が住む町を連想する。 

 3歳7ヶ月で迎えた終戦。おぼろげな記憶の中で、食べるものがないひもじさと、いつまでたっても貧乏に追いかけられた惨めさは、この身に染み付いている。
 
 成長と共に、戦争の愚かさや人間の浅ましさ、哀れさをかみしめ、平和の大切さと有り難さを肝に銘じながら、昭和と平成を生きてきた。

 核兵器廃絶はもとより、全ての殺害兵器をこの世から追放する声をゆるめてはならないと、改めて思う。
 核兵器や進化した化学兵器を駆使する戦争を起こせば、間違いなく両者が滅亡のふちに沈む。そうしたことを、当事者に知らしめる強いメッセージとして、発信し続けなければならない。

 核兵器を保有している大国や先進国は、発展途上国に対して核兵器を持ってはいけないという。
 このゆがんだ現在の世界の仕組みを見直さなければならない。

 核不拡散条約などの国際条約に「すべての核兵器廃絶・核開発禁止」「戦争放棄」を盛り込ませると言う勇気ある努力を、日本に期待したい。

                     2010.8.20  朝日新聞「声」掲載

     ( 写真 : 水平線の彼方、少し柔らか味を帯びた入道雲。秋近し。 ) 
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