延べ5日間にわたって行われた、地元中学3年生の高校入試面接練習の面接官というお役目が終わった。
1日だけお休みをもらって4日間を参加。男女合わせて12人の受験生と向き合った。どこまでお役に立てたかわからないが、たった一人でもいい、たった一問でもいい「あのおじいさんにいい質問してもらった」とか「リラックスさせてもらった」といった評価が聞かれると嬉しいのだが。
彼らが真剣ならこちらも真剣に。独自に準備して臨んだ質問を、相手の表情や緊張の度合いに合わせて、もう一つシビアにしたり、逆に柔らかくして答えやすくアレンジしたり、それなりに気を遣いながら質問をする。「オー、その調子!」・「もう少しうまく答えてよ」。口には出さず気持ちの中でハラハラドキドキ。
おおむね最初の10分間を正式な面接形式で進む。次の5分間はお互いにリラックス。先ほどの10分間の良かった点、改善点などを話し合う。この時は彼も彼女も緊張から解き放たれて素の顔に戻る。
そうなると、ある意味で孫君に話しかける雰囲気になる。少し厳しいことも言えるし、彼らも聞き入れるゆとりを持っている。そこで「この質問だけは即座に答えられる準備をしておくといいね」などと伝えられる。この5分間はまっこと貴重な反省会になる。
ちょうど60年前のこと。就職試験で面接を受けるとき、当時流行の四角い大きなバックルのベルトで臨んだ。面接官はさすがに目ざとく「いいベルトしてますねー、そのバックルにはなんと書いてあるのですか」と来た。内心シメシメ!「これはGoingmywayです」「どういう意味ですか」「私は私の思った通りに突き進むという意味です」みたいなやりとりをしたのだったと記憶する。
最後に「人の言うことに耳を傾けないということですか」と意地悪な質問が来たのを忘れていない。「そんなことはありません、人に流されず自分らしく生きるということです!」みたいことを言ったのだと思う。
そんなこんな思い出に浸りながら、一人役を終えた。彼らの背中に心からのエールを贈りつつ。