地域住民のパワーを教育現場に取り込んで、学校と地域が一体となって児童や生徒の成長を見守る。また、教諭の繁忙を少しだけ和らげるために自習見守りをしたり、時に指導のお手伝いもする。そんな学校と地域の連携を「コミュニティスクール」と呼んでいる。一つの中学校と、それにつながる小学校を一つの母体とする協育ネット協議会とも言う。
地域活動の一つとして、この時期お声がかかるのが、中学3年生の高校進学の面接指導である。
自分の高校入試に面接があったかな~、どんな話をしたのかしら、というほど記憶の曖昧なこんな男でも、長く生きてきた経験で「是非練習面接官に」と言う話になる。
昨年に続いて2回目の経験ではあるが、練習する生徒の真剣な眼差しと対峙するこちらも徒やおろそかに座ってはいられない。彼や彼女の真剣さと緊張を少し和らげて、自己主張をしやすい雰囲気づくりも我々の気配りというものである。そうして二言三言話をするうちに「なんとかこの子らに幸あれ」という感情がわき上がってくる。
無理もない、同世代の孫と長年付き合ってきた。今は大学2年と高校3年となった二人ではあるが、ついこの前中学校を卒業したばかりなのだ。
孫とジジの関係ではこれほどの緊張で向き合って「この高校を志望した理由を……」とか「将来の夢は何ですか」などという話はあんまりしない。どっちも照れ臭くてはぐらかしてしまう。ところが一旦よそ様の子女と向き合って、本番を前にした練習となると責任みたいなものを感じて、つい肩に力が入る場合もある。
スタンダードマニュアル的な質問のほかに、独自の質問内容を13~16準備をして臨む。それらを多く使える子と、余分なことに応える余裕がなさそうな子など色々。有難いことに、遠い昔を思い出しながら大きな大きな復習をさせてもらっている有難さも感じている。いくつになろうと、学びのタネってあるもんだね~ご同輩。