ひょっとしたら自分にはこの闘いには縁がないのでは・・・などと割とノー天気で今日まで生きて来た。実際はそう甘くはなかった。
いよいよリングに上がってファイティングポーズをとる羽目になった。ゴングが打ち鳴らされようとしている。今はまだゴングは聞こえてこない。
定期健康診断のつもりの軽い気持ちで受けたPSAの数値が異常に高かった。血液検査で症状が掴めるという気軽さなのに、気持ち的にはさほど重きを置いてこなかった。ただただ「自分は大丈夫!」という根拠のない自惚れがあった。これは大きな間違いだったのかもしれない。精密検査の結果「これは間違いなく前立腺〇〇です」と断を下された。
向こう10日のうちに2度の精査をする。一つは他の部位に転移していないか。今一つは骨格の内部に浸透していないか。この2点がOKなら1点集中の最適な治療法を模索する。二つのいずれかまたは二つ共に異常があればそれ相応の治療方法になる。ということで、取り敢えずは2度の精査を待たなければ、最適な治療方法が見えてこない、ということらしい。正直なところ気分は重い。それでも手をこまねいてはいられない。できるところまでは抵抗してみたい。
本来ならこういったことは、他人にひけらかすことなく、自分の心のありようを一人静かに噛みしめながら、密かな闘病日誌にでも記すところであろう。が、今までの調子よく生きてきた自分を色んな所で晒してきたのだから、調子が悪くなったらひた隠すというのはどうも性分に合わない。
それよりもこれからどんなリングが待ち受けているのか、どんな展開を見せるのか、気持ちの許す限り「忘備録」としてここに残してみたいと思っている。もちろん、気になるカープを応援するのも、生き甲斐の一つとして孫君の追っかけを記すのもここである。