このところあまりいい話がない。周囲の人に多大な心配をかけている。自分自身も最悪の状況を想定し、ある種の開き直る気持ちもあったように思う。
高齢男性に多い病気と言われる仲間に否応なしに引きずり込まれていた。「エッ!なんでオレが?」最初はまるで他人事のように軽く受け止めていた。
医療現場ではそんな甘いことではなく、MRI、造影CT、アイソトープ検査(骨シンチ)などなど真剣に可能な限りの生体の検査を尽くし、病巣の状態の探求や他の部位への転移など、命を守るあらゆる手立てを講じて頂いた。それらの検査結果の報告と今後の対処法のお話を主治医から伺って来た。
非情に重苦しく、病院への脚がどうしても軽やかに出ない感じを押し殺し、予約の時間すこし前に泌尿器科待合室に。
待つこと数分。「いろんな精密検査の結果、かくかくしかじかで転移は認められません」とはっきり明確な宣言を頂いた。有難い、そうかこれで目の前の一つ山を越えられた。ということは直ちに次なる高い山への挑戦が始まるという、新たなステージに立った思いがある。
その前に、義兄や妹はじめ長いお付き合いの親しい友など、多くの方に心配をかけたお詫びと結果報告の電話に時間を費やした。どれほどの時間を費やそうと、取り敢えず命拾いをした自分自身のお祝いみたいなものを、多くの皆さまにご報告させて頂きたいと思っている。その上で、これから始まる新たな挑戦にもどうぞお力を貸して頂いて、これからまだまだ長いお付き合いをお願いしたいと思っています。有難うございました。