畑に吹く風

 春の雪消えから、初雪が降るまで夫婦二人で自然豊かな山の畑へと通います。

連載218「歳取り魚」(その1)

2019-12-14 06:29:13 | 食べ物

 これは何年か前の、鮭が豊漁だった年に頂いた塩鮭。大きくてまな板からはみ出していました。


 出刃包丁が「アジ割き」と呼ばれる小型の出刃に見えるほどの大きさでしたよ。


       歳取り魚(その1)

  暮れ、大晦日が近づくと親戚から大きな塩引き鮭が送られてくると、いよいよ年末と言う雰囲気が高まり、

大掃除などに追われることとなる。

 塩のたっぷり効いた大きな塩鮭は一晩大きなタライの中で泳がせ、塩を抜いて翌日切り身にする。

頭を鰓の下から切り落とし、先ずは三枚におろす。

そして、一の切れと呼ぶ、胸鰭付きの切り身を神様に備えるために切り、順次尾に向かって切り身を作っていく。


 切り落とした頭と、三枚におろした真ん中の中骨は、これも年取りと正月のご馳走用の、

昆布巻きの「中継ぎ」とも呼ばれる、芯として食べられることとなる。


 昔、鮭や鯉の一匹物をおろすのは男の仕事と決まっていた。

しかし、我が家の場合は妻が教え手の私の腕をはるかに超える「出藍の誉れ」と言うやつで、

上手になり私の出番は固い頭と中骨の処理のみとなってしまった。


 何時頃からか、魚好きの亡母が覚えて作り始めたのだと思うが、

頭を解体し「氷頭」と呼ばれる軟骨を取り出し「氷頭なます」を作ることにもなった。

その氷頭だけで作る贅沢な「氷頭なます」も高級食材として店頭に並んでいることも有るが、

その高価さ故に買い物かごに入ったことは無い。

 我が家では大根のなますとともに鮭の氷頭も入ることとなる。

暖かくても美味しいけれど、冷えて軟骨から出た成分で、煮凝り状態になっても酒にはぴったりの摘みともなってくれる。

            (続く)

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山の畑よさようなら(その1)

2019-12-14 05:45:29 | 

 前日、二人で軽トラに乗って農道を山の上まで登ったが雪が深くて途中で引き返していた。

翌日は雪も少し消え、そして柔らかくなったので、畑まで何とか軽トラを進めました。畑は一面の雪原状態。

 

 畑のこの辺りは畝の形は辛うじて見えるけれど、野菜の姿は見えない。

動物の足跡も見えないが、遠く杉の木立越しに白く光る越後三山、越後駒ケ岳の姿が見えます。

 

 畑の中で唯一顔を出していたのが、この取り残したネギと、ポロネギだけです。

これも、大根を採って時間に余裕が出来たら採って帰りましょうか。

 

 山の畑に来た最大の目的の大根の収穫をします。

最後、5回目辺りの種まきは9月の中旬を過ぎる頃でしたから、さすがに成長はせずに小さい。

 

 でも、侮るなかれの「雪の下大根」ですよ。

雪をかき分け、抜いて手にしただけで身がしっかりと締まっていることが分かるほどです。

         (続く)

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