あの猛暑の夏の話が昔話のようにも思える寒い日々が続きます。
焼き芋を始めた当初は暑くて近寄り難かった釜も今は団を採るのに最適です。
釜で焼き上がったばかりの焼き芋。
白い「黄金千貫」そして、「玉乙女」に「寿」に「安納芋」。
「安納芋」など焼き上がりが近付くと蜜を滴らせ、釜に敷いた小石は固まって菓子の雷オコシのよう。
何時でも美味しい野菜だけれど、特に初雪の後で味が濃くなっています。
葉物類も種類は豊富。
右手のテーブルの上はジャガイモとさつま芋。
雨の一日だったけれどもユリの花など売りきれて、再仕入れに行くほど。
でも、午後になると客足は落ちますね。
一人の私と同じ位の年頃の女性が立ちより、ユリの花を求められました。
野菜を勧めると「そうねー主人が亡くなり、一人になっちゃったから少なくて済むのよね」と一言。
妻が「まー、大変ですね何時の事でしたか」と聞くと「七月なの」とポツンと呟くように一言。
「でもね、こうして出掛けると、あー、こんな時は何時も傍に居たっけなんて思っちゃうの」
と、言うと顔を曇らせ、涙をあふれさせられました。
様子を見た私も思わず貰い泣き。涙を見せないようにと焼き芋釜に薪を入れます。
「あまり仲の良い夫婦でも無かったけれども、やはり居なくなるとねー」と続けます。
身につまされるような言葉でしたね。
「うちなんか喧嘩ばかりですよ」と言う妻の言葉に「喧嘩する相手だって有った方が良いのよ」と答えられる。
「今日でお店が終わりだったら来年きっと来ます」と、車から会釈しながら去られました。
さて、今日はどんなお客さんが見えられるのかなー。
今年の農天市場は明日、25日を持って今年度の営業は終わります。