畑に吹く風

 春の雪消えから、初雪が降るまで夫婦二人で自然豊かな山の畑へと通います。

農天市場の閉店

2012-11-24 06:21:22 | 暮らし

 あの猛暑の夏の話が昔話のようにも思える寒い日々が続きます。
焼き芋を始めた当初は暑くて近寄り難かった釜も今は団を採るのに最適です。 


 釜で焼き上がったばかりの焼き芋。
白い「黄金千貫」そして、「玉乙女」に「寿」に「安納芋」。
「安納芋」など焼き上がりが近付くと蜜を滴らせ、釜に敷いた小石は固まって菓子の雷オコシのよう。 


 何時でも美味しい野菜だけれど、特に初雪の後で味が濃くなっています。


 葉物類も種類は豊富。 


 右手のテーブルの上はジャガイモとさつま芋。


 雨の一日だったけれどもユリの花など売りきれて、再仕入れに行くほど。


 でも、午後になると客足は落ちますね。

 一人の私と同じ位の年頃の女性が立ちより、ユリの花を求められました。
野菜を勧めると「そうねー主人が亡くなり、一人になっちゃったから少なくて済むのよね」と一言。

 妻が「まー、大変ですね何時の事でしたか」と聞くと「七月なの」とポツンと呟くように一言。
「でもね、こうして出掛けると、あー、こんな時は何時も傍に居たっけなんて思っちゃうの」
と、言うと顔を曇らせ、涙をあふれさせられました。

 様子を見た私も思わず貰い泣き。涙を見せないようにと焼き芋釜に薪を入れます。
「あまり仲の良い夫婦でも無かったけれども、やはり居なくなるとねー」と続けます。

 身につまされるような言葉でしたね。
「うちなんか喧嘩ばかりですよ」と言う妻の言葉に「喧嘩する相手だって有った方が良いのよ」と答えられる。
「今日でお店が終わりだったら来年きっと来ます」と、車から会釈しながら去られました。

 さて、今日はどんなお客さんが見えられるのかなー。
今年の農天市場は明日、25日を持って今年度の営業は終わります。
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初冬の山里(その2)

2012-11-23 05:22:02 | 風景

 この場所は何年も訪れることは無しに過ごしていました。
あの、7年前の中越地震で崩壊した村々を訪れることが好奇心ではいけないと自分を戒めていましたから。

 きっと、この養鯉池も崩壊し、そのご復旧されたものと思います。
この地域は独特の軟弱な路盤構造の上に成り立っていますから。


 今年は猛暑と少雨、そして、霜が遅かったことが紅葉には幸いしました。
遠く見える穏やかな稜線はきっと旧守門村の「鳥屋ヶ峰」でしょう。


 眺めているうちに沢から霧が立ち上ってきました。  


 そして、霧の彼方に小千谷市の端に位置する「塩谷」集落が見えます。
ここも中越地震では大きな被害の有ったところです。

 ここに、会社で使っていた下請けの豪傑社員が住んでいました。
彼は、地震発生後家族を心配し、警察、消防の監視の目をかいくぐり暗闇の中、家に帰ったとか。 


 彼の話によると、想像を絶する大規模な地殻変動が有ったそうです。
「昔、この山の向こうに○○集落が有る。と、言われていたのに今はそれが見えるようになりました」


 木沢からの風景流の流れが早くなり、集落は再び霧に隠れてしまいます。
その、豪傑の彼も今は山を降り、小千谷市の死骸に近い位置に家を新築しています。

 何事も無かったかのように見える山懐に抱かれた村も離村者が多かったはず。
美しい棚田の風景で知られた、旧山古志村は地震など無かったかのように静かな佇まいです。
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初冬の山里(その1)

2012-11-22 05:12:29 | 風景

 マックスが吠え続けるので、子供を泣きやませるためのごとく軽トラに乗せて出掛けた。
昨日の朝のことである。そして、向かった先は我が家から北方に見える山の上。

 以前にも紹介した蕎麦の「山里食堂」がある「木沢集落」方面です。
集落に着く手前で、我が家の方向を見下ろします。


 昔、写真好きの床屋さんから、秋の一時期ここから霧の上に浮かぶ越後三山が絵になると聞いた。
昨日の朝は、反対に越後三山は雲に隠れ、我が家を含む盆地だけが良く見えた。


 重なる山々に囲まれた我が町が見えるが、我が家は右の尾根の陰で見えない。
手前の山裾を走る道路は「関越高速道」です。
ちなみに、もっとも遠方は雲では無くて越後三山の山裾の雪です。 


 木沢集落の上のはずれのトンネルを越えると、眼下に「峠」集落が見える。
住民は全員が離村したとも聞くけれど、農作業、養鯉業のための作業所に使っているのかも知れない。
手前の養鯉池は水が干されているけれど、錦鯉は越冬のため、別のところの屋根付きのイケスに入れたのでしょう。


 遠くに目を転じるとフタコブラクダのような姿で「権現堂山」が見える。
あの山も数日前には雪で真白に見えたけれども今は消えています。

 今は降雪を待つばかりになってしまった山里。
間もなく、この風景は白一色の世界になってしまいます。

                        (続く)
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感謝デーは「豚汁」サービス

2012-11-21 05:19:38 | 暮らし

 先週の金曜日はAコープを利用する出荷仲間の感謝デーと称するイベントの日。
朝、九時集合で賑やかに準備を始めます。

 出荷仲間は二グループで、毎日店頭の一部を借りて並べる仲間と、「金曜ふれあい市」の仲間です。
張り切って集合したけれど、Aコープの店頭市とバッティングして大わらわ。
テーブルの右奥の大きな箱はスベルべの差し入れのホッカホカの焼き芋の入れ物です。


 大きな寸胴鍋に、持ち寄った野菜を入れてバーナーに着火。
「アレッ?また調味料?豚汁に調味料は要らないよ」「だってそ、張り合いが無いんだものー!」
スベルべの主張が通り、調味料は無しに。


 さて、お客さんが多くならないうちに記念写真と行きますか。
「はい、こっちを向いて良い顔してー。綺麗に撮れなくてもスベルべの腕じゃないからね、自分の責任よ」
これでも、スベルべは人気の若手ですからね。


 なんだかんだと大騒ぎのうちに豚汁は完成。
味見の結果も好評で、後はお客さんを待つばかり。


 大きな容器に盛り、割り箸を添えてさーどうぞ。
お昼近くなってくると、お客さんの入りも最高潮になってきて皆が張りきります。


 大きな豚汁の鍋がたちまち空っぽ。と、なったら良かったけれども半分も残っちゃいました。
そうですよねー、百人前、いや、二百人前も作っちゃいましたからね。

 「終わったら、反省会と忘年会の打ち合わせをしましょう」の声にも、
腎臓結石が怪しく蠢き始めた兆候で越しの痛むスベルべは失礼して帰ったのでした。
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小春日和の風景

2012-11-20 05:03:08 | 山菜

 小春日和って本当は12月のこんな天候を言うのかも知れないけれど昨日は正にそんな雰囲気。
山の畑端に見えるコナラの木は紅葉し、後は冬を待つのみ。

 この場所はマックスの若い時のお得意のコース。
ここから山の崖下に降り、大きな石を咥えては持って来たものでした。


 隣のタラの木畑の原木も切り倒され、向こうに雪化粧の越後三山が見えます。
隣の畑の人に聞いたら、タラの木も干ばつで太らず、例年よりも細かったとか。


 青空の彼方に見えるのは「未丈ヶ岳」か。 


 これから、カラスを初めに山の小動物の餌になる柿の実もまだたわわに付いている。


 太いものから順番に引き抜いた大根がまばらに残っています。


 下の農天市場の畑に植える「トウ菜」類を採って妻とマックスと軽トラで下る。
途中の、農道が下りの斜面に差し掛かる手前で停まって風景を一枚。


 この手前の畑には「芍薬」が沢山植えられましたから来年は素晴らしい風景になることでしょう。
球根販売専門の大農家の畑ですから、切り花としては伐らずに、畑で花を咲かせるはずです。
考えただけでも、わくわくするような風景が想像されます。

 今年の秋は、暑くて日照りの多かった夏の少なかった雨を取り返すかのような悪天候続き。
畑の土が乾かず、冬の降雪期を前にして畑仕事は難渋しました。
昨日はこの後、夕方までになんとか下の畑に「トウ菜」を植え終わることが出来ました。

 それと午前中は最後のケーブルテレビの収録でした。
一ケ月に二回の「魚沼農業日記」の収録も無事に終えることが出来ました。
番組の編集が終わったら、今年最後の「魚沼農業日記」も皆様に一部紹介しましょうかね。
コメント (2)
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