その女アレックス (文春文庫) | |
ピエール ルメートル | |
文藝春秋 |
男が振り向き 声をかけようとするほど美人のアレックス
彼女は白いバンに詰め込まれ男にさらわれる
男は見たいものは淫売の死だーと全裸のアレックスを木の檻に監禁する
誘拐現場を目撃した男性から通報あり かつて妊娠中の妻が誘拐事件の犠牲者となり惨殺されたカミーユ・ヴェルーヴェン警部が嫌々ながら捜査にあたることになる
その経験から誘拐事件だけは担当したくなかったカミーユだがー
必死の捜査で女性を誘拐した男の身元が判明するも ヴィダール予審判事の判断のためにー容疑者は死んだ
容疑者は行方不明の息子が女に殺されたと考えており 復讐しようとしたのだ
檻の中で弱っていたアレックスは男の目的が 自分をネズミに食い殺させることだと気付き慄然とするも 自由になるために ネズミを利用することを思いつき ネズミと戦う
アレックスの監禁された場所を警察が発見した時 アレックスは既にその場所から消えていた
警察側とアレックス側との様子が交互に描かれる
やがてアレックスが残忍な方法で男たちを殺していたことがわかる
男に近づき その欲望を利用して気をひき殺していく
アレックスは6人殺した
ホテルの一室で死体となって発見される
アレックスは男女6人をいかなる動機で殺していったか
彼女は犯人でありながら被害者だった
痩せた少女のアレックス まだ11歳ばかしの彼女を その異父兄のトマ・ヴァスールが毎晩犯し続け なお他の人間たちにまで抱かせていた
挙句 アレックスの女性らしい部分は酸で焼かれた
トマは言う 妹は情緒不安定でーと
命を懸けたアレックスの異父兄への復讐をカミーユは完成させてやる
予審判事のヴィダールは言うー「まあ、真実、真実と言ったところで・・・・・これが真実だとかそうでないとか、いったい誰が明言できるものやら!
われわれにとって大事なのは、警部、真実でなく正義ですよ。そうでしょう?」
カミーユは微笑み うなずいた。-
正義は確かに行われたのだー
映画化が進んでいるーそうです