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ヨルムは、少しずつこの町の住人になろうとしています。
ヨルムの性格を周囲の人たちが理解し始め、ヨルムもまた住人たちの関係等を知り始めました。
皆、何かしらの苦しみや悩みを抱えていることが分かってきましたね。
ウェブ漫画が原作のこの作品。監督は、「恋はチーズ・イン・ザ・トラップ」と同じ監督だと知り、頷けました。私たちのリアルな生活の中で同じように経験したり、感じたりする小さなエピソードを丁寧に描いているからです。
そんな小さなエピソードが大きな意味を持ったり、何かが変わる切っ掛けになったり、心が温まったり、反対に傷ついたりする。それが、登場人物たちの細かな表情でこちら側にも伝わって来ます。
やっぱり、この作品、派手ではないけど、心に響く作品だと思います。
20年前、デボムは現在ヨルムが暮らしているビルに住んでいました。
『ソナビリヤード場』と言うのが、店の名前でした。
ソナと言うのは、デボムの姉の名前だそうです。
数学の天才だと注目されていた少女でした。
ある日、姉のソナの死体がビリヤード場で発見されました。第一発見者は、デボム。
父親は、混乱し、デボムが殺されればよかったのにと、殴りました。
デボムは、立ち尽くしたままでした。
実は、姉を発見する直前、ビリヤード場から駆け出していく男の姿を目撃していました。
デボムはそれを父親だと思い、警察にそう証言しました。
本当にそうだったの
上着の色が違ってるように思うのですが?
とにかく、その証言でデボムの父親は逮捕されました。
母も、その直後に亡くなりました。自殺
デボムはこんな大きな心の傷を抱えているのです。
ヨルムは、事情も知らず、デボムに怒りをぶつけたことを反省していました。
口下手なヨルムは、何と言えばよいのか分かりません。
で、小さな鉢植えの花をそっと図書館の机に置いて行きました。
『すみません』
たった一言だけ書いたカードを添えて。
デボムは、それだけでヨルムの気持ちを理解しました。嬉しく思いました。
デボムの表情が明るくなり、笑顔が増えています。優しくヨルムを見つめています。
ヨルムとデボムの雰囲気が、初々しくて可愛くて、見てて本当に微笑ましいです。
ボムは相変わらずお酒におぼれている父親を疎ましく思っていました。
いくら祖母が庇おうと、父親は酒を止めることはなく、年老いた母親から子供たちの学費までむしり取っています。
ボムは学校で虐められています。
ジェフンが庇おうとしても、全く無力で。担任もボムを理解していません。
ジェフン自身もアメリカの学校を退学して帰国してきたようです。どういう理由かは分かりません。
ボムの担任が、叔母さんに当たるのですが、頭ごなしにジェフンにボムと付き合うのを止めろと言うだけです。
ボムが学校に行かず、図書館に行くのは、学校に居場所が無いからでしょうね。
ヨルムは、ジヨンとデボムから、お年寄りの話の聞き取りをして文章に挙げると言う仕事を頼まれました。
出版社に勤めていたと言っても、文章を書く自信は無いので、必死に断りましたが、強引に頼まれて、引き受けるしかなくなりました。
不愛想な老婆ですが、本当はヨルムとデボムの訪問が嬉しかったようです。
問わず語りを長々としました。
2人の人柄が気に入ったというのもあると思います。
一緒に過ごす時間が少しずつ長くなるにつれ、ヨルムとデボムの雰囲気もな雰囲気。
ジヨンが7級国家公務員の一次試験に合格しました。先日、デボムに送って行ってもらった試験です。
全く期待していなかったので、狂喜乱舞
お祝いに食事に行くことになりました。参加者は、ジヨン、デボム、ヨルム、ソンミン、ボム&ジェフンの6人。
でもね、行先が、チャンス&オクスンの店しか無くてね。
ジヨンがボムにお説教し始めたのをきっかけに、雰囲気が険悪に。
オクスンも加わってボムを責め始めたので、ボムは怒って帰ってしまいました。
帰ると言うヨルムをジヨンが引き留め、強引に二次会に誘いました。
デボムは飛び級で大学に入学したほどの天才だとジヨンが言いました。
ここでくすぶる人材じゃないの・・・と。
そして、自分がソウルに行ったあと、デボムが1人残るのが心配だと言いました。
デボムのことを、幼馴染以上に想ってると、ヨルムも感じたかもしれません。
何もしないでいて、不安じゃない?と、ジヨンがヨルムに聞きました。
「不安です。」
と、ヨルム。
実は、周りに合わせてばかりいて疲れたんです・・・とヨルムは言いました。
だから、今は、他の人ではなく、自分と向き合っています・・・と。
ジヨンは酔った勢いで言いにくい話をしに、デボムの家に行きました。
送ってくれたのは、ソンミン。
ソンミンはどうもジヨンが好きみたいですね。
明日、教授が会いに来ると、ジヨンがデボムに言いました。逃げようと思わないで・・・と。
そして、自分と一緒にソウルに行こうと。
1人帰宅しようとしたボムを呼び止めたのは、いつもボムを虐めている不良の女子高生たち。
まぁ、ボムも口じゃ負けてないけど、相手は多勢。
つかみ合いの喧嘩になったけど、不利ですよね。
顔に傷を作って帰宅したボムに、酔った父親がまた余計に傷つけるような事を言いました。
ボムも、我慢できずに大喧嘩となり、結局、ボムは家を飛び出しました。
ボム、行く宛てがありません。訪ねたのは、ヨルムのところ。
ヨルムは何も聞かずに、ボムを泊めてあげました。
それがボムにはとてもありがたいと思えました。
「何があったにせよ、体を大切に。」
とだけ、ヨルムは傷の手当をしてあげながら言いました。
ボムは、泣けました。