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被害者の女性の名前はグクファ。
ヒョンスは留置所で女性の名前を知りました。
シン弁護士は、ヒョンスに取り調べの状況等を細かく聞きました。
拘留を避けることが、まず第一ですから、警察側の落ち度やミスを洗い出し、有利に裁判を勧めようと思ったのです。
でも、パクチーム長にそんなミスはあり得ません。退職まで3か月を残すところのベテラン刑事ですからね。
ヒョンスはまだ気が動転していて、自分の置かれている立場が理解できていませんし、当然、これからどうすべきかと言う事も分かっていません。
シン弁護士は、捜査関係者からそれとなく事件のことを聞き出すことにしました。
その上で、ヒョンスに2つアドバイスしました。
一つ目は、真実や司法の正義など無いから考えても無駄だと言う事。事実もヒョンスの主張も重要じゃなくて、何が事実だったら自分にとって有利かを考えろと言う事。
二つ目は、“あの日の夜”に関することは絶対に、一切、話すなということ。
警察は事件について、ストーリーを作っていると、シン弁護士は言いました。
こちら側が作ったストーリーと、警察が作ったストーリーのどちらを判事が気に入るかと言うのが、裁判だと。
ヒョンスが黙っていることによって、警察側のストーリーを知る事が出来ると。
でも、ヒョンスとすると、本当の事を分からせるべきだと思いました。自分は無実なんだということを。
「何の得にもならない。」
と、シン弁護士はその言葉を一蹴しました。
「ここには、良い人も悪い人もいない。自分に合う正義を信じて生きるだけだ。」
と、シン弁護士は言いました。正義感を持って悪と戦う警察なんてものは、映画の中の話だとね。
そして、続けました。パクチーム長は静かな獣だと。優しいフリをして、ヒョンスがミスをするのを待ってるんだと。
確かに、優しい口調でヒョンスの取り調べは行われました。
パクチーム長は、シン弁護士が言う所の“ストーリー”をつくるため、関係者の証言を集めていました。
まず、グクファの家の前に駐車していて、ヒョンスにぶつけられた車の持ち主の男性スンフンから事情聴取をしました。
スンフンは、正確にヒョンスの写真を見分けました。
飲酒運転の取り締まりをしていて、ヒョンスを一旦拘束した警官は、拘束理由を、ヒョンスの行動が怪しかったからだと言いました。
その後、ヒョンスを警察署に移送した警官は、ヒョンスがグクファについて聞いた事を証言。
現場には、ヒョンスがグクファを襲ったとしか思えない証拠の数々が残されていました。
グクファの家族は、義父しかいませんでした。
再婚した母は既に他界していて、その後、義父とグクファは別居していました。
義父は、涙一つ見せず、面倒くさそうに解剖承諾書にサインしました。
ところで、シン弁護士は、風貌や言動を見ると、ちょっといい加減に見えますが、不正を見逃すことは出来ないと言う正義感を持っています。
まぁ、それを商売につなげようとする魂胆は見え見えですが。
ヒョンスの両親が知らせを受けて警察にやって来ました。
パクチーム長は、わざわざ別室を用意し、ヒョンスと面会させました。
ヒョンスたちは気づいていませんでしたが、これもパクチーム長の作戦でして。
部屋には、監視カメラがあり、録音もされていたんです。事件の本質的なところを話すかもしれないと狙ってのことでしょうね。
両親は、おろおろと息子に問いただしました。
ヒョンスは泣きながら自分は無実だと両親に話しました。
遅れて到着したシン弁護士は、監視カメラを睨みました。
シン弁護士は、送検するにはまだ不明な点や疑問点があるとパクチーム長に言いました。解明は始まったばかりだと。
でも、パクチーム長は、ヒョンス犯人説は動かせない事実だと考えています。
ただ、ヒョンスは無実を訴えるだけです。状況証拠だけで送検するには、少々躊躇してしまっています。
シン弁護士はヒョンスに再度注意しました。
たとえ相手が両親でも、事件について話してはいけないと。
さっきの事は録画されていて、そうなると、シン弁護士でも検事に頼まないと見る事は出来ず、裁判開始後、確認するしかないんだと。
「僕は本当にやってないので、そう話しただけです。」
と、ヒョンスは言いました。
お前が話している事実は何の役にも立たないんだと、シン弁護士。
それをちゃんと理解しないと、残りの人生は終わりだぞと。
でもね、ヒョンスは自分の無実をきちんと理解してほしいだけなのです。
嘘ではないと分かってほしいだけなのです。
それが後回しにされるじれったい感覚。じゃぁ、真実とは何を指すのかと言いたいのでしょう。
パクチーム長は、ヒョンスを懐柔しようとしました。
現場に落ちていたぜんそくの吸入器をヒョンスに渡しました。
優しくヒョンスに語り掛けましたが、今回はヒョンスもそれに応じる事はありませんでした。
シン弁護士の助言を守って。
自白は無理だと考えたパクチーム長は、送検を決めました。
パクチーム長が躊躇していた理由は、ヒョンスが前科の無い平凡な大学生だということでした。
それでも、ヒョンスが犯人だとしか思えないのです。証拠の全てが指し示しているから。
その時、ネットニュースに事件の事が流れました。情報統制していたにもかかわらず。
記者につい話してしまった刑事のせいでした。
ヒョンスを拘留するか否かの審問が行われました。
審問が行われる前に、勝負は始まっていました。
パクチーム長がヒョンスに着替えさせた服は、どー見てもチャラいもので、判事やマスコミに良い印象を与えるものではありませんでした。
検察が有罪、シン弁護士が無罪を主張し、審問は終了。
裁判所の下した判断は、拘留すべき・・・でした。
ヒョンスは収監されました。