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巨大ブラックホールの衝突が新宇宙を形成⇒循環宇宙論、有機物質から人間への進化メカニズム(循環論理の評価)⇒戦略的進化論

日本の未来を壊している教育

2011年10月23日 09時26分41秒 | 思考空間

 ラバウルの生き残り兵士が死をも恐れずアメリカ軍に突入したとの証言を聞き、改めて教育の恐ろしさ・影響力を認識した。(アメリカ軍の調査では恐怖感を持った兵士も多数いたようである)

 無敵の兵士を育成し戦場に送り出したのも、21世紀の日本を創るのも教育である。だから、教育を考える前に、国が何を目指すべきかの、国民が共有する未来ビジョンが無くてはならない。 教育はそもそも戦略性の高いものである。ところが、日本にはビジョンが無い。

 従って、現在の日本教育は何を目指すべきか分からない。これは官僚の常とう手段であり、目標を明確にせず、こそこそとミクロエリアで手前勝手なことをやる。文部科学省は悪乗りして、以下に述べるように官僚の既得権を維持するための知識偏重系の教育を死守する。

 知識系の偏差値教育は企業ベースに乗り易い。ビジネス向きだ。日本の未来や子供たちの将来がどうこう言う前に、それは官僚や企業や教師の都合で教育が形作られている。

 東大法学部はそんな知識系教育の勝者であり、チャンピオンである。ところが、彼らの知識に比較して、解決力や想像力は貧弱で、頭の良い彼らはそれを十分自覚している。知識は有っても実力が無い。

 日本はバブル崩壊以降、成長がストップしている。もし、官僚の指導力で経済成長していたのなら、バブル崩壊以降の回復も難なく成し遂げたに違いないが、彼らができたのは、ただ税金をばら撒き巨額の赤字を作っただけだった。そこで、「失われた10年間」なる言葉を作って流行させる。俺たちのせいじゃないよという訳だ。

 もし、解決力、想像力を推進する教育に改革し、実力者が現れてきたら、知識エリートは学歴ピラミッドの頂点から転落してゆく。東大法学部は官僚養成学校の名を独占できなくなる。官僚にとって、真の実力主義は不都合極まりない。

 現在の日本教育は、発展途上国に適し、グローバル社会で世界をリードすべき内容ではない。現代は、教科書にない目まぐるしい展開に突入し、インターネットが発達し情報が溢れ、過去の情報を頭に詰め込んでも意味をなさない。

 おまけに「ところてん」で大学を卒業させるから、学力が保証されておらず、就職しても大学の教育が役に立たない。企業としては利益をあげることが保証されている学生なら、いくらでも採りたい。しかし現状では、入学時の学力をあてにして、コストをかけ育てて行かなければならない。

 我々はまず、日本の置かれた状況、世界における日本のあるべき役割を客観的に分析し、国家レベルのビジョンを作るところから始めなければならない。

 教育改革は時間のかかることであるから、まずは大学において、①社会のニーズに応じたカリキュラムを選択し、②経験・実績を持つ教師を積極的に採用し(研究者と教育者は明確に分け、適さない人材はどんどん辞めていただく)、③学力が伴わない学生は卒業させないという方針を決めるべきだろう。

 知識よりは、情報の収集能力、分析力、論理的な思考や判断、創造性が求められる。専門教育も実践を重視し、経験を積ませるべきだ。また、日本の教育ではリーダシップが決定的に欠如している。

 例えば、英語教育はネイティブの教師をそろえ、英語が話せない学生は卒業させるべきではない。現在の英語教育は、英語にコンプレックスを植え付けることは有っても、ネイティブと片言でも話す力は備わらない。そのことが、日本人をして世界での活躍舞台から遠ざけている。

 幼稚園から高校まで大学入学を目指しているのだから大学を改革すれば、確実に教育全体が変わる。大学人はそのことを十分自覚して欲しい。

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