

「ようこそ 夢の劇場へ」
以前は、ドラゴンボールZとのコラボだったが、J1リーグ戦再開の柏戦は、「ジャイアントキリング」とのコラボだ。
こんなことをやってくれるのだから、テンションも上がる。
新潟にとって、うれしいのは、日本代表にまでなっていたGK東口の復帰だ。

練習時。大雨が降っていたが、試合開始の頃は雨がやみ、チームカラーのオレンジである夕陽の光が、スタジアムに差し込んできていた。

リーグ戦再開初戦とあって、サポーター席も気合が入っていた。
ゴール裏には、「アイシテルニイガタ」のコレオグラフィが鮮やかに浮かび上がっていた。

試合は、新潟・柏双方互角の展開。
とはいえ、ACLで日本勢唯一勝ち残っている柏。やさしい相手ではない。
テクニックと敵を崩す動きは、さすがだった。
だが、わが新潟も、守るばかりではなく決定的な場面もあった。
それは、向こう、柏も同じ。
そこを復帰した東口が、よく防いでいた。
前半終了間際にも、決定的な場面をしのいだのは、さすが東口であった。
後半開始早々、FW川又が先制ヘッド!
ところが、その6分後、同点ゴールを決められると、試合は均衡状態になり、終盤へ。
ついに後半38分、柏に勝ち越されてしまう。
1-2.
やはり今日も負けてしまうのか…。
そんな空気に包まれたスタジアムだったが、新潟サポの応援の声はずっと続いていた。
そして、選手はあきらめていなかった。
後半43分、MF田中亜土夢の、起死回生のシュートが相手ゴールに突き刺さった。
場内は騒然!
すぐにロスタイムに入り、どちらも相手ゴールに迫るが、柏の方の足が止まってきていた。
時間は、ロスタイム4分まであと数秒というところで、新潟のパスがうまく回り、田中亜土夢が、FW岡本へすばらしいラストパス。
これを岡本が確実に決めた!
すばらしいシュートであった。
そして、試合終了。

今までなら、逆転されて意気消沈し、そのまま敗れることの多かった新潟。
1-2から、信じてはいたが、ゴールが決まるとは。
まさか、勝つとは。


最後まであきらめずに、勝利を目指して走り切った選手たち。
誇りに思える勝利であった。
新潟のサポーターたちは、歓喜に熱狂した。
奇跡のようなゲームであった。
奇跡は、起こるんだ。
いや、起こるのではなく、起こすのだ。
起こすのは、あきらめない人の意志の力なのだ。
そんなことを強く思った。

娘よ。
奇跡を起こそう。