

七夕の星に回復への祈りを込めて、ということで、娘の体調がよくなるように、と、娘の「伯父さん」に当たる方から、花かごが届いた。
「星に祈りを」という歌があったことを思い出した。
昔、私がよく聞いていたのは「チェリッシュ」がカバーしたものだったと思う。
だから、甘い声での歌という記憶がある。
もともとこの歌は恋・愛の歌ではあるのだが、病床の娘のためには、
「涙をふいて笑顔を見せて 明日の明るい日ざしをあびよう」
「ゆくてには 今日にもまさる喜びがある」
という部分の歌詞が実現することを祈りたい。
昼間、病院で花かごを受け取った娘は、意外とそっけなかった様子であったと聞いた。
しかし、病のためにそんな態度だったとしても、娘はもともと気持ちのよさが取り柄の子だったから、人から受けた温情に何かしなくてはいけないと考えたようだ。
夕方、弟(娘の)が行くと、おじさんへの感謝の手紙が書いてあったそうである。
われわれが言わなくても、「お礼の手紙を書かなくちゃ」という気持ちになったらしい。
B5判の白い紙に、自分を不細工に描いた絵を添えて、感謝の手紙を書いていた娘であった。
娘との面会を終了して、誰かが帰ろうとすると、娘は決まって、「気をつけて帰ってね。」と言う。
何度も書く話だが、気のよさは相変わらずだ。
そんな娘だから、少しでも病状が改善されることを、星に祈りながら帰る毎日である。
感覚は、だいぶ6月の頃に近づいたように見える娘である。