ON  MY  WAY

60代を迷えるキツネのような男が走ります。スポーツや草花や人の姿にいやされ生きる日々を綴ります(コメント表示承認制です)

苦しさの中に楽しさを見つけて完走~新潟シティマラソン2024~(4)

2024-10-16 16:53:35 | RUN

海が見える景色の道をずっと行く。

さあ、やっと21㎞だ。半分まであと少し。

だけど、まだ半分に行っていないのか、と時々ため息をつきたくもなる。

今までなら、もう少し軽く過ぎていた気分だけどなあ。

まあ、今までは今まで、今年は今年だ。

 

どうしたものか、脚の痛みは、太ももの上部しかも股関節の外側に現れてきた。

太もも前部が痛いのではなく、側部の上部なのだ。

この痛みをごまかすために、上りになるととにかく歩きを入れることにした。

この速くもない速さでありながら、私同様に歩く人を見ると、少し心が安らぐ。

痛みと戦っているのは、つらさを耐えているのは、私だけじゃない、という不思議な連帯感を覚えるのだ。

ありがとう、他のランナーの皆さん。

 

遠く、今夏金銀山が世界遺産に認定された佐渡島がぼんやりと見える。

そして、中間点を迎える。

今年もいるかな?あのオジサン。

いた!!サングラスと看板下げたあの人が。

「毎年、ありがとうございます!」と声をかけて、進んだ。

ここまでおよそ2時間半強。順調にいけば、5時間台前半でゴールできるはずだが、これから先は歩きが増えるから、そう甘い結果にはならないはずだ。

まずは、ゴールにたどり着くこと。それが今年の私の一番の願いであり、目標だ。

 

22㎞手前の第6エイド。

千切りたくあんが添えられたご飯を取って食べていると、私の名前を呼ぶ声が。

振り向くと、去年38km付近で私を抜いて行った、かつての職場の30代の後輩。

去年は38㎞、今年は26㎞で抜いて行かれるのは残念。

「これが今の精一杯。去年以上に体調がダメです。がんばって先に行ってください」と応えると、彼はトコトコ先に行った。

あとで調べると、彼は、私より30分くらい早くゴールしたらしい。

22㎞を過ぎ、暑さのせいか、沿道で倒れて救護を受けているランナーを見かけた。

さらに、いったん海と離れる、関屋浜の公園は23㎞地点では、ちょうど救急車が発車するところだった。

「救急車通ります。左側開けてください。」と言って、ピーポーと鳴らしながら遠くに走り去って行った。(下の写真の前方の車)

救護を受ける人たちは、きっとがんばっていたのだろうな。

私と違って、限界まで挑戦して走っていた人たちなのだろうな。

でも、私は私、そこまで突き詰めずに脚が疲れたら、すぐ休む。

それも、完走のためだ。

24㎞。ずっと海が見える道。

救急車で運ばれた人もいたが、暑いけれど風はいくらか涼しいのが救いだった。

24.8㎞の第7エイドを過ぎる。

ここからすぐに道は回り込んで関屋分水の河口に出る。

そして、堰の上が、25㎞地点。

海が見える風景と別れて進む。

最初は急な上り坂。私と同様なペースで進むランナーたちは、そのトップまでだいたいが歩く。

青山斎場の近くは下り坂。そこから再び走り始める。

だが、その先は、およそ2.5㎞が風景を楽しめない松林の中の道。

かつては、この国道402号を新川漁港までの往復20キロ近くを走るコースだったが、やたら長く感じたものだった。

26㎞ポイントは、そんなことを思い出させるところにあった。

27㎞。目の前のランナーは、若くてバネのある速い走りをするのだが、私と同じ、「走ってはしばらく歩き」を繰り返していた。

ずっと前まで走って行ってしばらくすると、ゆっくり歩く。

きっと走り続けられないような状態になっているのだろう。

そのペースが、実に面白いもので、平均すると私とほぼ同じペースなのだ。

だから、彼とは、5㎞くらい抜いては抜かれ抜いては抜かれを繰り返したのだった。

きっと走り慣れていなかったのだろうな、30㎞過ぎてからは彼に抜かれることはなかった。

 

27.2㎞の第8エイド。

私は、このエイドを楽しみにしていた。

なぜなら、ここには去年もおととしも笹団子が提供されていたからだ。

今年もそれを楽しみにしてここまで来たのに、今年は、ない!!

そんなあ~。がっくり⤵💧

仕方がないから、食べ飽きてきたけどご飯をいただき、せんべいももらった。

 

そのすぐ後、第3折り返し点、27.5㎞青山海岸海水浴場手前。

ここまで松林を長く感じたが、ランナーは前にも後ろにもたくさんいるのを確認した。

28㎞、29㎞と、27㎞地点で背中を拝んだランナーとの抜きつ抜かれつに苦笑いしながら進んだ。

 

歩き中心で行くと、青山斎場の坂の手前で今年も季節外れのハマナスの花を見つけた。

その手前では2羽のカラスがカアカアと、歩く私らをあざ笑っていただけに、美しく勇気づけてくれてありがとう。

 

暑さで特別設置したのか、関屋分水まで戻ると、30㎞手前で水分を提供するエイドがあったのは、ありがたかった。

ここから、関屋分水の土手道を行く。

前の大学生ランナー3人グループも走ったり歩いたりなのだが、「35㎞から本気になって走るか」などと笑いながら歩いたり走ったり。

若いなあ、彼らは。

私は、とても笑えない。

だって今は、歩きを入れないと前に進めないのだから。

でも、笑えないけど苦痛自体が楽しいぞ。

今こうしてマラソン大会に参加していないとこの苦痛は味わえないのだから。

 

松林も長いが、ここからの土手道も長い。約5㎞先まで行って折り返す。

まだ12㎞もあるけど、淡々と行こう。

 

その後のラップタイム。(タイム/㎞)

㉑7分23秒 ㉒8分23秒 ㉓7分8秒 ㉔7分51秒 ㉕8分41秒 ㉖8分31秒 ㉗8分14秒 ㉘9分54秒 ㉙8分41秒 ㉚9分23秒

見てのとおり、走れなくなって歩きを増やしていくと、8分台のラップタイムになってしまうのが分かる。

だんだん歩きが増えていったことを、数字は正直に示している。

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2 コメント

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いろいろと考えたことでしょう (50fox)
2024-10-17 06:56:25
>りゅーと さんへ
そうですか、青山斎場はお母様の…。そこから古町まで歩くというのも結構距離がありますね。きっといろいろなことを考えながら歩いたのだろうなと思います。
走っているときも、いろいろなことを考えます。以前は、走るほどに頭の中がピュアになっている感覚がありました。今はそこまでではないですが、体は痛くて走れなくなってきても、なんだか心は非常に豊かな気分でした。
ありがとうございました。
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Unknown (りゅーと)
2024-10-17 03:07:49
 ここあたり、一昨年オフクロが亡くなった為、青山斎場に行った際に「せっかくだから…」と言うことで、いろいろ見物、古町まで歩きました。

 笑えないけど苦痛自体が楽しいぞ、今こうしてマラソン大会に参加していないとこの苦痛は味わえないのだから…、おぉ〜、凄い!、そう言う感覚になるんですね〜。
 これからもよろしくお願いします。
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