これは、大阪の海遊館のイワシの水槽です。
円筒形の水槽に沿って、イワシは同じ方向に同じ速度で泳いでいます。いつ、訪れても同じです。
小魚の群れや、鳥の群れ、大きな塊になっているのを見かけます。
この群れの動き、実は単純なルールで動いているそうです。それは、
① 近くの仲間と進む方向やスピードを合わせる。
② 仲間との距離をつかず離れずで一定に保つ。
③ 仲間がたくさんいる方向へ向かう。
この、ルール、今ではコンピューター・グラフィックスに欠かせないソフトの1つだそうです。
では、なぜ動物は群れるのか?
「進化論的に群れが発達した」と水産工学研究所は考えているといいます。
”群れることで、天敵から自分が狙われる確率が減る。”
”周りを警戒する負担も減る。”
”移動時も経路を間違えにくく、より遠くまで行ける。”
”リーダーが指示をするのでなく、全体として秩序ができた。”
こうして、生存競争を勝ち抜いてきた動物たち、例えばアリのエサさがし。
「バラバラに巣を出ても、エサを見つけた1匹が通り道にフェロモンをつける。
他のアリがそれを見つけ、後に続く。
エサが近いと、アリが次々通るため、フェロモンが濃くなり道が出来る。
遠回りのルートは、行き来に時間がかかりフェロモンが蒸発してしまう。
よって、最短ルートが出来る。」という。
この、フェロモン理論で、出来ている「カーナビ」も研究されたそうですね。
車に取り付けたセンサーから信号を出し、渋滞を他の車に知らせる。
道路管制センターより情報が早くわかり、渋滞予測精度は20%上がったそうです。
自然界の生存競争の中で、生き物が培ってきた方法がこんなところにも活かされているのですね。まあ、人間だって、地球上の生き物ですけど…。
ところで、上の写真のイワシの群れ、私は1匹だけ、逆行しているのを見つけました。
ご訪問頂いた皆様は、何匹お気づきでしょうか?
この、イワシ君の人生、ちょっと気がかりです。(*^^)v