まもなく、京都の夜空に、真っ赤な「五山の送り火」が灯ります。
五山の送り火は、亡くなった人の精霊を送る行事です。
これだけ、遠い昔からの大きな行事なのに、その起源は定かではないといいます。
元々は松明の火を空に投げて精霊を送ったのが始まりという説もあります。
まず、
「大文字」(左京区・如意が岳、通称大文字山)
五つの中で、一番に点火(夜8時)
「大」は、仏教では人の身を現し、点火する事により煩悩を焼き尽くすという。
「妙法」(左京区・”妙”が松ヶ崎西山、万灯篭山。
”法”が松ヶ崎東山、大黒天山)
美しく優しい形の「妙」です。(8:10点火)
「左大文字」(北区・衣笠山)
「大」の字の第二画が第三画よりも長いためこの名がついた。(8:15点火)
「船形」(北区・西賀茂妙見山)
帆かけ舟の形を模している。(8:15点火)
「鳥居形」(右京区・嵯峨鳥居本曼荼羅山)
鳥居の形、最後に灯される(8:20点火)
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こうして、五山すべての山が、炎に包まれます。
京都の人々は、盂蘭盆会に、この世に帰って来た亡き人の魂が、迷わずに再び冥界に戻るようにと願いながら、この壮大な五山の送り火に向かって手を合わせます。
観光行事となった「五山の送り火」ですが、京都のひとにとっては、”信仰の火”なのです。
残念ながら、今日は見に行けない私ですが、心に焼き付いている火を想い、
祖父、祖母、父、母はじめ、ご先祖様を送りたいと思います。
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そして、火の勢いがおとろえゆっくり消えていくと、ああ、もう夏も終わりなのだなあと感じるのです。