【金口木舌・12.28】:たっぷりの休みには
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【金口木舌・12.28】:たっぷりの休みには
「奇跡の9連休」とも言われる年末年始が始まった。大手旅行会社JTBが発表した年末年始の旅行動向見通しによると、国内・海外の旅行人数・消費額はともに前年を上回る
▼景気のいい話に聞こえるが、詳しく読むと、もろ手を挙げて喜べることでもない。コロナ前の2019―20年の年末年始と比べると、旅行人数は約95%。海外旅行人数に限れば6割にとどまる。まだ回復途上と言える
▼政治的な立場の違いでニュースの解釈も大きく変わるように、客観的な数値でも、見方によって評価はさまざま。複眼的に数値を読み解き、解釈する力が求められる
▼生き方も考え方も多様な時代。一つの考え方や一つのとらえ方だけに執着しすぎてはならない。私たちは、私自身とは考え方も生き方も違う他者がいることを理解したい。そんなに難しいことではないはずだ
▼9連休そのものもプラスの側面だけではない。いつもこの時期には炊き出しが行われる。支援が必要な子どもたちや生活困窮者らにとっては苦痛かもしれない。連休中、他者に思いをはせる時間を持ちたい。それでも休みは、まだたっぷりあるはずだ。
元稿:琉球新報社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【金口木舌】 2024年12月28日 04:00:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
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