日本の中にナチスの残虐より日本はましだという感覚があるのではないか!
被害者の立場に立つとはどのようなことか!
想像力を働かせて創造力を!
南日本新聞の社説を読んで、産経などとは比べ物にならないほど、まともです。しかし、以下の点で、日本国民をミスリードするのではないかと思い、記事にすることにしました。
それは、東京新聞と同じですが、加害者は徹底して被害者の立場に立つという視点がなければ、被害者とは和解できないということです。そのことが、若干弱いように思います。
そのことは北朝鮮の拉致問題を視れば、また通り魔殺人などの加害者に対する被害者の考えを視れば明らかです。日本では死刑が当たり前の刑罰として受け入れられているのは、こうした意識を反映しているのではないでしょうか。以下をご覧ください。
死刑制度に対する意識 - 世論調査 http://survey.gov-online.go.jp/h21/h21-houseido/2-2.html
産経 「死刑制度」容認80%超 否定派を大幅に上回る 内閣府世論調査2015.1.24 17:14更新 http://www.sankei.com/affairs/news/150124/afr1501240022-n1.html
死刑容認の理由(複数回答)は「被害者や家族の気持ちがおさまらない」が53・4%で最も多く、次いで「凶悪犯罪は命をもって償うべきだ」(52・9%)、「生かしておくとまた同じような犯罪を犯す危険がある」(47・4%)の順。(引用ここまで)
どうでしょうか。戦争責任を問われた勢力が温存されていることの問題点を、このアンケートは示していないでしょうか。産経の記事だと言うところがポイントです。
ところが、国民は、国家による犯罪となると、寛容です。「水に流せ」論が頭をもたげてくるのです。全く矛盾しています。
ところが、アメリカの原爆投下や空襲による無差別殺戮に対しては寛容です。アメリカは謝罪はしていないにもかかわらず、です。沖縄の米兵の住民殺戮や土地取り上げなどについても、民族的反攻は起こっていません。知らんぷりです。
何故、このような矛盾したことが起こっているのでしょうか。ここには政治的な思惑が働いているとしか言いようがないと思うのは愛国者の邪論だけでしょうか。
そこで南日本新聞の論調にヒントがあります。このことは、この間繰り返して記事にしてきたことです。以下ご覧ください。
中韓の批判を「対日批判」とスリカエる過ちが国民をミスリードしている!
「中韓両国は早速、安倍首相が今夏に出す戦後70年談話をにらみ、メルケル氏の発言を対日批判の材料にする構えだ」という「対日批判」論です。しかし、これは事実に反しています。「対日」ではなく「対安倍派」なのです。安倍派の「歴史修正主義」に対してです。以下ご覧ください。
韓国外務省「日本は歴史正視する勇気を」、韓民族の寛容性を強調―韓国メディア 2015年3月10日 21時10分 Record China http://news.livedoor.com/article/detail/9873504/
「過去の総括が和解の前提」メルケル首相、安倍首相への忠言? 海外報道更新日:2015年3月10日 http://newsphere.jp/politics/20150310-2/
海外メディア4社(ロイター、AP通信、BBC、ガーディアン紙)はおしなべて、メルケル首相の発言を、安倍首相に対する忠言と見なしたようだ。
どのメディアも、安倍首相が今夏、戦後70年談話を発表することを紹介する。安倍首相はその談話で、戦後50年の「村山談話」、戦後60年の「小泉談話」で使用されてきた「植民地支配と侵略」への「痛切な反省」、「心からのおわび」といった文言を、もっと弱い表現に置き換え、謝罪の意を薄めるのではないかとの憶測があると、ロイター以外の3社は非常に似通った表現で伝えている。
海外メディア各社は、今回のメルケル首相の発言と同等かそれ以上に、安倍首相が今後行う発言に注目しているようだ。談話の表現次第では、安倍首相は、中国、韓国との関係にさらなるダメージを与える危険を冒す、とガーディアン紙は語る。多くの海外メディアで、もはや通念化している安倍首相のイメージは、そういった懸念を呼ぶものとして語られている。…
日中韓が戦争の影響をいまだに抜け出せていないのは、日本の保守政治家が過去の謝罪にしばしば疑念を投じているためで、日本に責任の一端があるものの、中国と韓国も、歴史問題が便利な政治外交カードとなり得るため、あえて緊張関係を維持させている、と主張している学者もいる、とロイターは伝える。
日本政府が見たところ反省に欠けているということを、中国および韓国政府首脳は、国内での支持を強めるために、不当に用いようとしている、とガーディアン紙は指摘する。日本が行った侵略戦争を、これまでよりも日本にとって好都合なように表現するという安倍首相の決意にも、同様の意図がある、と同紙は見ているようである。(引用ここまで)
愛国者の指摘していた通りの「評価」がくだされています。東京新聞の場合もそうでしたが、「ナチスの残虐な加害をドイツが直視して謝罪したため、フランスが受け入れたのである」論です。これは「日本の天皇制政府の残虐な加害を戦後の日本政府がが直視して謝罪したため、中韓朝が受け入れたのである」となるように安倍政権が踏み出すかどうかですが、それはムリではないでしょうか。安倍首相の思想を甘くみることはできまあせん。
ここの点を世論によって変えていくことができるかどうかです。ここに最大の問題と課題があります。このことについて、南日本新聞をはじめ日本のテレビ・新聞などのマスメディアは沈黙しています。こうした現状が国民にどのような影響を与えているか、前号で紹介しました。
南日本新聞は「まず日本が周辺国への加害も含め、先の大戦にどう向き合うかが問われているのだ」としています。このことについて、具体的に問うこと、国民になげかけていくことこそが、「戦後日本の平和国家としての歩みを真摯に説明する姿勢」を示すことになるのです。このことは具体的には、侵略戦争の反省の上に制定された日本国憲法を活かすということで示されるのです。
謝罪することは、「口」ではできるのです。村山・小泉談話が示しています。問題はそこにあるのではありません。勿論、口にしないより、口にした方が良いに決まっていますが。では、以下ご覧ください。
南日本新聞 メルケル氏発言/日中韓の和解の契機に 2015/3/12 10:06
http://373news.com/_column/./syasetu.php?ym=201503&storyid=64399
「過去の総括が和解のための前提となる」
7年ぶりに来日したドイツのメルケル首相の発言が反響を呼んでいる。安倍晋三首相との首脳会談後の会見や、都内で講演した後の質疑などで話した。
発言は日本と中国、韓国との間で、歴史認識をめぐり緊張が続いていることを念頭に置いたものだ。戦争で被害を与えた国との和解には、歴史と向き合うことが重要と示唆したのだろう。
中韓両国は早速、安倍首相が今夏に出す戦後70年談話をにらみ、メルケル氏の発言を対日批判の材料にする構えだ。
だが、メルケル氏は第2次世界大戦後のフランスとの関係改善に触れ、「相手側の寛容な対応もあった」とも語っている。
メルケル氏の発言は、日本と中韓両国に歴史問題での歩み寄りを促したものといえる。3カ国が和解へ進むきっかけにしたい。
先の大戦で日本から甚大な被害をうけた中韓が、70年談話の内容に大きな関心を持つことは理解できる。しかし、中国紙はメルケル氏の発言を利用して、自らの軍備増強や拡張主義を正当化するかのような報道ぶりだ。冷静な対応を求めたい。
メルケル氏はまた、民主党の岡田克也代表との会談では慰安婦問題の解決を促した。「きちんと解決した方がいい。日韓は価値観を共有しているので和解が重要だ」と踏み込んだ。
韓国外務省報道官は「誠意ある反省が先になければ、寛容を示すことはできない」と日本側の対応をあらためて要請した。
気掛かりなのは、安倍首相周辺にフランスと和解したドイツと日本外交を比較する議論に否定的な意見があることだ。
「民主主義国フランスと共産主義の中国は同一視できない」という考え方である。
確かに中国は圧倒的な軍事力を持ち、価値観も異なる。和解は容易ではあるまい。
一方、ドイツとフランスの和解も平たんだったわけではない。ナチスの残虐な加害をドイツが直視して謝罪したため、フランスが受け入れたのである。
安倍首相の70年談話は中韓だけでなく、アジア諸国、ドイツ、米国など国際社会が注目している。まず日本が周辺国への加害も含め、先の大戦にどう向き合うかが問われているのだ。その上で首相には中韓との首脳外交を通じて、戦後日本の平和国家としての歩みを真摯(しんし)に説明する姿勢が求められる。(引用ここまで)