朝から空がカラリと澄みわたってゐると、もふそれだけで、何でも出来る氣になってくる。近くで誰かが、鍵が開かないと慌ててゐる。私はそれを背中に聞きながら、向かふの車庫に留まってゐるあの電車に、乗りたいものだと考へる。やがて、鍵が開いたと歡聲が上がる。私は驛へ行く。あの電車が動いたさうだ。 . . . 本文を読む
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プロフィール
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- 嵐悳江(あらし とくえ)──手猿樂師にして、傳統藝能創造家にして、鐵道愛好家にして、古道探訪者にして、文筆家氣取り。
雅号は「李圜(りかん)」。
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