dmenuニュースより
http://topics.smt.docomo.ne.jp/article/hochi/entertainment/hochi-20210518-OHT1T51191?fm=d
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訃報を聞いて最初に思ったのが、
「ああ、阪東妻三郎(バンツマ)の息子がまた一人、亡くなったか……」
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昔の日本映画が好きな私にとっては、だうしても剣戟スターだったバンツマの………、と云ふ印象になってしまふ。
田村正和の古畑任三郎か、古畑任三郎の田村正和か、と云ふくらゐに當り役となったかの謎解きドラマは、私も大いにハマッた一人。
持ち前の個性が存分に光った警部補ぶりは、役よりも自分を見せることが先行する小芝居出の若い脇役たちとは、はっきりと一線を画してゐたものだ。
時代劇の當り役とされた「眠狂四郎」については、あくまでも市川雷蔵のものであり、また雷蔵以外で成功したのは十五代目片岡仁左衛門となった片岡孝夫さんのみ、との認識から、興味が持てず全く観てゐない。
數年前、「二枚目であり續けることに疲れたので、これからは年齢相應の人生を送りたい」と、“老ひ支度宣言”のやうなことを告げて表舞臺から退いたときは驚いたが、77歳といふ享年を聞くと、この時代ではまだ老け込むのには早かったのではないか、と思ふ。
合掌