迦陵頻伽──ことだまのこゑ

手猿樂師•嵐悳江が見た浮世を気ままに語る。

寳物に感謝する。

2018-12-31 21:18:47 | 浮世見聞記
平成三十年も、大晦日に至る。


浮世にはなにも期待せずに始まったこの年は、実際その通りの、ろくでもない浮世なりけり。



さりながら、私は手猿楽師として、有意義な活動の出来た一年。


行きたいところに行き、見たいことを見る、そのすべてを実行できた、ありがたい一年。


京急2000系、そして東急7700系の東急線からの引退といふ、残念な、しかしいつかは訪れることが訪れた一年。


それらを通じて、自分にはなにが必要で、なにが必要ではないか、みずから識別できた一年。



何よりも、

日常生活に支障をきたす事故やケガや病気もなく、

日々を平穏に暮らせたことが、

いちばんの幸せな出来事。



身近な幸せには気が付かず、

遠くの幸せばかりを背伸びして掴まうとするのが、

人間といふもの。



私のいちばんの財産は、

いまの我が五体なり。




来る年には代替りが控へてある。

浮世はいたずらにお祭り騒ぎをしたがるだらうが、

私はさうした雑音を消して、

自分の目で、

ひとつの歴史を見ておきたい。



だから今宵は、

さっさと寝やう。

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