迦陵頻伽──ことだまのこゑ

手猿樂師•嵐悳江が見た浮世を気ままに語る。

その時に逢ふ。

2019-02-07 17:32:32 | 浮世見聞記
横浜市青葉区の横浜市民ギャラリーあざみので、「暗くて明るいカメラーの部屋」展を見る。


何を言ひたいのかがよくわからない案内チラシそのままの、何を見せたいのかがよく見へてこない展覧会。


結局かういふテのものは、制作者の自己満足にすぎない。



そのなかでただ一点、私が足を留めたのは、米國のスペースシャトル“チャレンジャー”と、その最後の乗組員たちを写した作品。

1986年1月28日、スペースシャトル“チャレンジャー”は10回目の打ち上げに失敗して爆発、乗組員全員が死亡──

その爆発した瞬間のニュース映像に、私も子ども心に衝撃をうけたものだ。

写真は、その乗組員たちの生前の姿を、いまに遺してゐる。


写真は、

二度と戻ることのない、

そのとき、

その瞬間を、

永くそこに閉じ込めておくことが出来る。


その時はなんの気なしに撮った一枚が、

未来のある時から、

貴重な一枚となることがある。


この“チャレンジャー”と乗組員たちの一枚が、まさにそれだ。



……ああ。

その事実を再認識したことが、この展覧会における私の収穫か。




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