迦陵頻伽──ことだまのこゑ

手猿樂師•嵐悳江が見た浮世を気ままに語る。

音樂藥。

2019-02-07 23:52:07 | 浮世見聞記
平成もあと二ヶ月といふ現今、奇妙(おかし)なニュースばかりが伝へらると感じてゐるのは、私だけだらうか。

報道屋はさういふものばかりを選って流してゐるのではないか──と、疑ひたくなるほどに、目を背け、耳を塞ぎたくなる悪報ばかり。

それらにまともに取りあってゐたら、それこそ頭がおかしくなりさうだ。



そんな折り、懐かしい音楽を手に入れた。



私が幼かった頃に黄金期を迎へてゐた、“ザ・ドリフターズ”──

神業的コント集団のやうになった後年の印象がだうしても強いが、もともとはビートルズ初来日コンサートで前座をつとめたほどの、ミュージシャンたちだ。

さういふ気持ちで改めて耳を傾けると、彼らのハイレベルな音楽センスに圧倒されて、やがては身も心も躍り出す。


そして彼らのコントに心から大笑ひをしてゐた、あの明るい思ひ出が、次々に蘇る。


かくして私は、ザ・ドリフターズのコミックソングに、やうやく“心の置き処”を見つける。


人間が歌ひ、

人間が演奏する──


人間の手作りは、何物にも勝る藥なのである。




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