太田記念美術館で前期後期に分けて全點が展示された「月岡芳年 月百姿」展を觀る。
月岡芳年が明治半ばから末にかけての長きにわたり發表し續けた月下百景の傑作は、これまでにいろいろな美術展で數點を目にしたことはあるが、全點と接するのは今回が初めて。
もっとも、かうした企画は今後もどこかでやるだらうが、その日の満月はその日限りの姿なれば、この御縁を逃さじと二度に分けて出かける。
(※案内チラシより)
(※案内チラシより)
私が先日に披露した現代手猿樂「月小町」は、この「月百姿」のうち“卒都婆の月”からも、大いに想を得て創ったものである。
──かくして人は、古へより月に魅せられ、ときにその魔力に惑わされ、ときに踊らされるのである。