ちょくちょく利用する町内の停留所でバスを待ってゐる時、ずっと向かふに見える神社の森に、枝ぶりが双子のやうによく似た木立がそびへてゐることに、初めて氣が付く。
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高薹で景色がよく見渡せる場所で、快晴の日は立ってゐても氣持ちの良いものだが、あの双子には今まで氣が付かなんだ。
いつもの場所で初めて何か知ることがあると、それだけで世界の視野が擴がった氣になれるのは、幸せではないか。
昼頃に有樂町に至る。
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いくらか湿度が低いので、まだ我慢できる暑さだが、移動は地下道を使ふ。
覗いた見世の若い女のコが、素直に感謝を表す感じの良い子だったので、こちらも晴々した氣分で買ひ物ができた。
この頃はいびつな年若ばかりが視界に入り込んで来るので、久々に“人間”に逢へて安堵したやうな。
ああいふ素直な感じも“若さ”の特權だナと思ってゐる時點で、私の若さなどとっくに昔語りである。