迦陵頻伽──ことだまのこゑ

手猿樂師•嵐悳江が見た浮世を気ままに語る。

山また山へ逃げにけり。

2021-07-18 09:25:00 | 浮世見聞記
てつがく【哲學】(名) 
有言實行の出来ない、又はそのつもりのない詐欺的人種が、もっともらしく聞こえる屁理屈で相手を煙に巻く際に弄する、詭弁の一種。



今朝のラジオ放送で聴ひた觀世流による「山姥」も、シテはさうしたわかったやうなわからないやうな屁理屈を弄し、相手に最後まで首を傾げさせて、山々を逃走する。



私はこの曲を金剛流宗家の仕舞で、一度だけ觀たことがある。

前髪を額にハラリと垂らしての熱演であったこと、地謠がしつこいくらゐに「やまめぐり」と繰り返してゐたことしか憶えてゐない。




やまめぐり【山巡り】(愚)
自分は自分自身の中にしかゐないことに氣が付かない自惚れ屋が、無駄に費用と時間と体力と氣力を消耗させ、挙げ句に遭難する行為。自分さがし。





 

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