江東區文化センターで催された「新春 民俗芸能の集い」にて、初めて“手古舞(てこまひ)”と云ふものを觀る。
大昔に、二度ばかり手古舞“らしき”には縁があったが、ただそれだけの話しで、手古舞の何たるかまで理解してゐたわけではない。
男髷にたっつけ袴姿のお姐さん達が、女の人にしか出来ない独特の高音を利かせて、木遣りを聴かせる──
それが現在、富岡八幡宮に傳承されてゐる手古舞。
番組前半の男性たちによる「木場の木遣」の、男聲ならでは壮大さとはまた違った繊細さを樂しみながら、浮世は男性には男性にしか、女性には女性にしか出来ないことがあり、その棲み分けがしっかり守られてこそ、この味はひがあるのだと感じ入る。
帰りは、近くを流れる「東海道四谷怪談」“砂村隠亡堀”の旧跡を歩きながら、
今日もいいお出かけをしたと、冬の冷氣を心地よく思ふ。