迦陵頻伽──ことだまのこゑ

手猿樂師•嵐悳江が見た浮世を気ままに語る。

“ラジオの聲”を見る。

2018-11-11 20:04:07 | 浮世見聞記
横浜市技能文化会館で開催された「第21回 横浜マイスターまつり」にて、特別ゲストの高嶋秀武さんのトークショーを楽しむ。


会場内で、到着したばかりの高嶋秀武さんを偶然見かけたときは、少年時代からラジオで聴き親しんでゐる人を初めて見た嬉しさから、思わず顔がほころぶ。



そして軽やかに登壇した高嶋秀武さんは、平成といふ三十年はどんな時代であったか、そしてその三十年間に起きた数々の自然災害と時の政権との不思議な関係を、絶対に七十六歳ではないあの明朗な聲で、聴く人の目から鱗を落とす。

そして聴衆の平均年齢に合はせて、長命(ながいき)の秘訣を持ち前のユーモアもたっぷりに傳授。

「いつも明日を見ること」

「まわりの喜怒哀楽に振り回されない」

そして、

「握ったものは離さない!」──つまり、“先立つものは……”の、アレ。

さらに「読書」のほか、

「ラジオを聴くこと」!

これがいちばん、納得。

いまのテレビに、見るべきものなど無いからの。

そして、その道一筋に歩んでおられる職人さん達のイベントであることに掛けて、これからもラジオ一筋にやっていくことを宣言し、予定時間を五分延長してお開き。

やはり、人生の年輪を重ねて来られた人の話しは、その一つ一つに深みがあって、一つ一つに頷ける。



併せて、会場で披露されてゐるいろいろな職人技も見学する。



入場時にいただいたパンフレットには、今回参加した職人さんたち一人一人の顔写真が載ってゐるが、



皆、とてもいい表情(かお)をしておられる。

それは、

誇れるものを持ってゐる人ならではの、

最高の勲章だ。


さういふ人を、

私は心から尊敬する。




また、横浜市鶴見区のホールで開催された文化展も見る。

そのなかでもっとも感心したのが、



この盆山。

表面の凹凸を山並みに見立て、隅に小さく塔を置ひたその感性に、まさに藝術の本質を見る思い。

そばにおられた作者の了解を得て、写真に撮らせてもらふ。


そしてまう一点、気に入ったこの一句。



胸に沁みたのは、

現実にはなかなか難しいことだからじゃ。





コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« てつみちがゆく──新生9000系に続く快挙... | トップ | 得るために得るべきことを得る。 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。