埼玉縣坂戸市で開催された「第23回 坂戸よさこい」のなかのステージイベント「さかカルフェス」に参加して、現代手猿樂「那須与一」を舞ふ。
初演以来、「那須与一」を舞ふ日はたった一度を除いていつも惡天候ゆゑ、もし雨が降ったら野外で乱舞するよさこい連の皆さんゴメンナサイ、と心で手を合はせてゐたが、幸ひ曇天に留まりホッとする。
よさこい會場の道路に沿った坂戸市民會館は、客席よりもロビーのはうが衣裳もメイクもバッチリな人々で賑やかなのが面白く、いかにも市民イベントらしい氣輕で氣樂な雰囲氣に、私も舞ひながらあれこれ型を工夫して自作を樂しむ。
やることが定型化したら、あとは飽きと退屈しかなくなる。
それでは、このツマラナイ浮世を生きてゐる意義そのものも無くなる。
八月に埼玉縣のふじみ野市で「すゑひろかり」を舞ったとき、遠くまで来たなァと小旅行の氣分だったが、今回はさらに先の坂戸市に御縁を結ぶ。
ここまで来たら、次の御縁では泊まりがけも樂しいかもしれない。