迦陵頻伽──ことだまのこゑ

手猿樂師•嵐悳江が見た浮世を気ままに語る。

御縁と鎮魂。

2020-01-17 18:36:00 | 浮世見聞記

琉球舞踊の衣裳として用ゐられてゐた逸品が、手に入る。

一部を縫ひ直して、さっそく明日の「那須与一」で使わう。

本番を前に敬意を抱く琉球藝能の衣裳と
巡り逢ふたも、良き御縁といふもの。

今年も期待して良ささうだ。




阪神淡路大震災から、今日で二十五年となる。

遊びに行った友人宅のTVで、崩れて炎上してゐる神戸の街の中継映像に茫然としたことは、現在(いま)もはっきりと憶へてゐる。

余譚だが、この當畤まさに神戸にゐたと云ふ或る下請けの映像作家は、「これでみんな、同じスタートラインに立った……」と感じたらしい。


震災から二年後、大阪へ移住した私はすぐに神戸へ出かけた。

JR線の窓から見る神戸の街はかなり復興が進んでゐたが、ところどころにはまだ更地が残っており、ここで大震災があったといふ事實が、俄に生々しく迫ってきたものだった。



日本の傳統藝能には、"鎮魂"といふ性格もある。

そのことを、忘れてはなるまい。


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