琉球舞踊の衣裳として用ゐられてゐた逸品が、手に入る。
一部を縫ひ直して、さっそく明日の「那須与一」で使わう。
本番を前に敬意を抱く琉球藝能の衣裳と
巡り逢ふたも、良き御縁といふもの。
今年も期待して良ささうだ。
阪神淡路大震災から、今日で二十五年となる。
遊びに行った友人宅のTVで、崩れて炎上してゐる神戸の街の中継映像に茫然としたことは、現在(いま)もはっきりと憶へてゐる。
余譚だが、この當畤まさに神戸にゐたと云ふ或る下請けの映像作家は、「これでみんな、同じスタートラインに立った……」と感じたらしい。
震災から二年後、大阪へ移住した私はすぐに神戸へ出かけた。
JR線の窓から見る神戸の街はかなり復興が進んでゐたが、ところどころにはまだ更地が残っており、ここで大震災があったといふ事實が、俄に生々しく迫ってきたものだった。
日本の傳統藝能には、"鎮魂"といふ性格もある。
そのことを、忘れてはなるまい。